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4月下旬、花巻
近頃、よく行く花巻。
その日はちよっと、わくわく気分。
台焼きの窯元へ。
台焼
明治中期、花巻の台で誕生した陶磁器。
東北では貴重な磁器の窯で知る人も多い。
花巻温泉の傍に移ったのは昭和に入ってからで陶器も始まった。
実は、母が台焼の大ファンで、よく訪れていた。
しかし、私は初めて。
若かりし頃、
「台焼に行くけど、行かない?」
と母に誘われたが、一度も首を縦に振ることはなかった。
一度でも一緒に来れば良かった。
昔は薄緑の焼きものを母が手にしていた。
遠方の大切な方が来る前に、窯元に出かけていたのを想い出す。
案内してくれたK氏が言う。
「疲れた時、ここに来ては、ぼお~っとしてます。時間の流れを忘れます」
なるほど。
とにかく百年は経っているという建物の佇まいがいい。
気がつけは腰かけて窓の外を眺めていた。
5代目の「杉村峰秀」さんと話しているとあっという間に時間が過ぎる。
柔らかな物腰と話しぶりは、作品にも現れている。
花巻市の博物館で「台焼」と「花巻人形」の企画展が行われているとのこと。
予定の時間を越えてゆっくりさせてもらった。
帰りに窯の写真を撮らせてもらった。
翌日、また花巻にでかけた
気になって、早速、企画展を見に行った。
そこで昔の花巻電鉄の今で言う「PR動画」を上映していた。
昔、花巻駅から電車が2路線出ていた。
一つは鉛温泉郷に向かう。
そしてもう一つが花巻温泉が終着。
この台温泉の手前の花巻温泉の開発は、電車の整備の目的だった。
K氏からも聴いていたが、阪急の宝塚、東急、小田急など電車路線の敷設は、
沿線の開発と一体だった。
岩手の花巻でも同じ手法で建設されていたのだ。
勿論、関東の事業と比べれば規模は小さい。
しかし、当時としては素晴らしく画期的だったに違いない。
そこで、温泉の土産品として台焼がスタートしたのである。
古い地図には酪農らしいものも記されていた。
総合的な観光開発だったようだ。
その日のランチは「ファームプラス」
K氏に案内され、感激!
人参に包丁が入れてあり、優しい歯ごたえと甘み。
なんとも「美味しい!」
心身共に満足した花巻、小旅
宮沢賢治の花巻、なかなかに奥が深そうだ。
家に帰り、すぐ使ってみた。
美味しい馬場園芸の玄米をよそってみた。
海を表現した器の絵が、優しくホカホカの玄米を包み込んでいた。
器も大切なんだ!
食べ物を美味しく彩るんだ!
食は5感で味わうものなんだ!
色々なことが深く心に染み入る2日間だった。