<音楽が出ます、音量に注意>

 

 

 

盛岡に回転寿司が流行り出した頃、津志田の「清次郎」によく行った。

回転している寿司を眺めて、カウンター越しに注文する。

あっという間に寿司が並び、皿だけが残り、競うように皿を積んだ。

店の外にまでお客さんが並んだものだ。

 

今は、じっくりゆっくり、注文。

まず、白身魚。

「おや、ヒラメのえんがわがある」

 

<白身魚>

とにかく白身の魚が好きなのです。

 

<ヒラメのエンガワ>

う~ん、甘くてコリコリとした食感、やっぱりエンガワは、いい。

 

 

そして、いよいよ中盤にさしかかると豪華に艶々の帆立を。

 

<活 ホタテ>

歯の先が、スーがっと入り、割れた後に口の中にホタテの旨味。

ホタテってこうなんだ、とても美味しい。

 

 

 

そして、干瓢巻も食べる。

清次郎で、好きなものの一つがあら汁。

残念ながら撮り忘れ。

あらに、これでもかと身がついている。

骨の間に、ごっそり。

食べ応えもあつて、肴の旨味の詰まった汁。

 

子供の頃、

あら汁が大好きな父。

大きな鍋ごとテーブルにドン!

ご機嫌な父を尻目に、小さな溜息をついたものだ。

ほぐして骨をより分け、食べるのが面倒だった。

野獣のごとく食べる父を母は半ば呆れつつ微笑んで鍋をつつく。

あら汁を食べながら想い出す光景は、同じ。

 

父は、釣りも好きだったが、川魚、海の幸問わず、とにかく魚好きだった。

 

「なに、幸せそうな顔して」

と隣から。

「子供の頃を想い出してさ」

そう答えると、

「わたしの家でもよく食べたの、あら汁」

顔を見合わせて笑った。

長い付き合いでも知らなかった。

たぶんお互いに。

 

 

<勝手な食いしん爺の想い>

回転寿司は、鮨屋さんの握りとは何か違う。

全体的に、甘めの様に感じる。

子供からお年寄りまで美味しいと想う味って感じ。

時々、家族でわいわいと食べている光景を見ると日本は平和な国なんだとつくづく。

 

そして、食べたくなるのは清次郎の活きのいいネタを楽しみたいから。

 

徳利を並べて、ゆっくり食べる鮨屋のカウンターもいい。

回転寿司と鮨屋は、別の食べ物じゃないか?

なんて想うが、結局、食いしん爺は、両方好きなのだ。