毎年、紅葉を見に山に登る楽しみ。

栗駒の見事な紅葉、時間がなかなか取れなくても、

八幡平や網張のリフトを乗り継いで鍋倉辺りの野生のリンドウ。

 

ところが平成最後の秋は、履いてないトレッキングシューズ。

8月の半ばからの関節の不調は続き十月には帯状疱疹。

 

中旬を過ぎて、たいぶ回復してくると秋を眺めたくて、うずうず。

なにせ晴れの日が続き、今朝も快晴。

 

リハビリをしよう。

鞍掛山の麓、相の沢辺りでランチして、温泉で温まろう。

いい思いつきだと自画自賛。

早速出かけた。

 

前潟イオン傍の「レジュイール」で美味しいパンを買う。

その名のとおり人に喜びを贈るパン屋さん。

お昼前に着くと次々とお客さんが焼きたてパンを買いに続々と。

 

途中、小岩井で飲むヨーグルトも買った。

 

 

 

相の沢に着くと、もういてもたってもいられない。

「どんぐりの森」

膝や足首を気にしながら慎重に歩くが、

足元の秋、青い空、樹々の紅、黄に心が奪われていく。

 

 

鞍掛山から下って来た人達。

「こんにちは」

「これからなの?」

「いえ、今日はこのあたりで」

「あら、まだ昼だし天気がいいから登ったら? あたしより、ずっと若いんだから」

 

歩くだけで満足していた。

踏みしめる落ち葉や紅、黄の樹々の間から覗く青の美しさ。

 

<歩くごとに変る光景は、さながら展覧会の絵>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右脚の足首に少し違和感があり、牧野の傍に戻る。

 

紅葉に負けじと紅のトンボがバラ線に止まっていた。

足元にも沢山の赤とんぼが、落ち葉の上で羽を休めていた。

陽光を浴びて暖まっているのだろう。

 

 

 

陽だまりの中で、ちよっといい感じのランチ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

メロンパンから。

外がカリカリ、中はふんわりで美味しい。

クロワッサン、食パンも美味しい!

そして、小岩井のヨーグルトを飲む。

なんか身体にいい感じ。

 

 

突然、馬のいななき。

続いて、トラックが走って来た。

相の沢から馬返しの方に抜ける砂利道には牧場もある。

たぶんその辺りからだろう。

トラックに揺られて一頭の馬。

少し悲しそうに見えたが、想い込みだろう。

 

この辺りは、馬が多く育てられ、

今は建物も無いが盛岡に「馬検場」があり、セリが行われていた。

岩手は馬の産地で「チャグチャグ馬コ」という馬に感謝の想いの装飾を施し、

盛岡八幡宮まで、100頭近くが歩く催事がある。

以前に見たモノクロの映画「馬」のモデルもこの辺りらしい。

当時、黒澤明氏は助監督だった。

高峰三枝子が演じる女の子が怪我をしてしまった父に代わって懸命に馬を育て、

ついに、馬検場で軍馬として御用となり高い値となる。

しかし、悲しい馬との別れが待っていたというストーリー。

 

このごろ馬や猫や犬達の眼は、情緒豊かに見えて仕方がない。

あの馬はどこへ行くのだろう。

 

そう言えば、陽光を浴び、温もっていた沢山の赤とんぼ。

陽が落ちれば夜は、かなり冷えこむ。

明日の太陽が昇る頃、小さな命は、どうなっているのだろう。

 

美しい紅葉の中で、生き物たちは、

背負った使命を果たすため、余命を必死に生きる。

 

 

どうも近頃は、マイナーになりがちだ。

心身のリハビリは、青い空と太陽の下がいい。

さて、心身ともに温もりに鶯宿温泉に行こう。

 

盛岡は、その日思い立っても「秋」を満喫できる。