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「せつない時には、アツアツの郷土料理「ひっつみ」に癒される」

 

何故か急に食べたくなった「ひっつみ」(盛岡駅フェザン「ひっつみ庵」にて) <8月のこと>

 

想いもよらなかった

 

8月の旧盆過ぎからひと月ほど病に冒された。

微熱と右の肩、手と左の膝の痛みから始まり、喉も痛い。

耳鼻科から内科・外科へと行き、じっと順番を待つ。

整形外科と言われ、翌日、刻々と酷くなる痛みを背負って病院へ。

 

今までのスポーツ人生で肋骨、鎖骨の骨折、靭帯を傷めたりなど数々。

しだいに和らぐ外科的な痛みと全く違う痛み。

自分の弱った細胞を自身の何かに攻撃され、過剰に反応する神経。

 

医師の予告通りステロイド系の薬でどんどん回復。

まだ、完全ではないが、なんとか歩くことはできる。

 

盛岡の秋祭りも終わってしまった。

久し振りにPCを開くと、意外なメール。

「久し振りです、色々とご活躍ですね? よかった。わたしも元気です」

近頃、雑誌を発刊したり、地元で何度か新聞やラジオに出たりもしていた。

 

想い出になった恋心は、懐かしく穏やかに。

まあ、もう心踊る歳でもないもののちょっと切ない時の流れ。

軽い溜息と共に浮かび上がってきたのは、高熱の出る直前に行った田沢湖の静寂。

そう、ちよっと切ない夕暮れ。

 

 

田沢湖の夕暮れ、場所ごとに色々な表情を魅せて

 

一枚の布のように静かな湖。

少し切なく見えたり、一日の終わりを感じたり、ただ美しさに見とれたり。

 

 

 

 

 

あの日、田沢湖からの帰り道、真夏なのに何故か熱々の「ひっつみ」が恋しくなった。

迷わず、盛岡駅ビル、フェザンにある「ひっつみ庵」へ。

 

岩手の郷土料理「ひっつみ」

小麦粉を練って伸ばし、ちぎって煮る。

 

母のひっつみは、肉厚で「すいとん」と呼んでいた

 

ひっつみ庵では極薄に伸ばす。

もともと盛岡の料亭「田中」の味を引き継いでいるだけあってだし汁が薫り、そそられる食欲。

薄く延ばされ、滑らかな舌触りに加えツルリ感とあぶらげ、ゴボウ、椎茸の千切りが、薫るだし汁に包まれる。

とても美味しい。

在りし日の料亭「田中」では、〆に出ていたと想う。

 

 

いつものように稲荷寿司も

母の稲荷は、もう少し濃い味付けで紅生姜がアクセントで、何個も食べた。

ひっつみと稲荷寿司は絶妙の組み合わせ。

黙々と食べる。

 

 

「すいとん」が全国的なんだろうが、ひっつむかららしい「ひっつみ」

ひっつみは、作り手の動作からくる料理への愛を感じる。

もっとストレートに「とってなげ」という地域もあるらしい。

 

 

 

あの日、確かに微熱と倦怠感を感じていた

 

医者の診察と薬で、ひと月。

まだ残る倦怠感、微熱の具合は、発病前の様子。

ここからなのだ。

「自分の力で免疫力を取り戻す」のだ。

なんて、珍しく少し気合を入れた。

 

田沢湖からの帰り道、通り雨に出くわした。

地面を叩く煙る様な雨。

でも、盛岡は小雨だった。

昔は、雨でも歩き出そうとしていた。

長い人生、通り雨を眺めながら立ち止まるのも、一つ。

 

しかし、このひと月、金足農業の活躍、地震や台風の災害。

スポーツのパワハラ、政治そして安室奈美恵さん、逝ってしまった樹木希林さん。

希林さんの座った眼差しは、世間の倫理感と違う。

激しい人生の中で、築き上げてきた自分の価値観。

とても素敵に見えた。

各局のワイドショーは、次から次へと大忙し。

昨夜、ある報道番組を見ていた。

話せば話すほど、長い説明。

MC、キャスター、石破氏などといる中で、安倍総理だけの眼球が左右に忙しく動いて見えた。

 

さて、今日もこれから昼でもしよう。