<盛岡・やはり不思議な街>
夏も終わり、「平成最後の秋」の始まりは病み上がり、色々な事を考えた。
振り返りの時間だけは贅沢に。
やはり、「盛岡は不思議な街」だと想った。
例えば 「きじやまカフェ」
一度目は、行きつけず。
二度目は妖しい場所の印象で、ちょっと振り絞った勇気が留守で無駄に。
三度目に、ようやく、「はあ~い!」と出て来たのは爽やかな奥さんで、ひと安心。
四度は、一週間ほどで行きたくなった。
三度目に爽やかで明るい、間違いなしの奥さんを見て、案内されるまま入ったが、
初めがマスターだったら、早めの退散を念頭に覚悟を決めて入っただろう(笑)
「ジブリの世界・きじやまカフェ」
外からは緑の樹々に包まれ、殆ど中が見えない
眼前にあるジブリの世界に飛び込んだ感覚だった。
仲良しの二人
二度目に行っても、
とっても仲の良い二人なんです。
その日、午前中から畑に行って猛暑の中の草取りの畑仕事。
しかし、疲れている素振りを見せることなく、話してくれる。
自分達の疲れより、
二人のホームを訪れた人との関わりをとても大切にしている二人なのです。
この入口が気になっている人は、山ほど
ブロ友でFacebookの友でもある人が、散策中に見つけて、
「こんなところに、なんだろうと思って通り過ぎたんですよ、でも気になる場所でした」
と言っていた。
ところが彼も今では神奈川で、間もなく閉店してしまう餃子の店に、
マスターと2人で食べに行ったりしている。
この樹々の濃い緑の中にカフェレストランがあるとは
手で煎った豆をサイフォンで淹れた珈琲
きじやまカフェのこだわり
トーストのパンは、手こねで有名な「横澤パン」
きじやまカフェから横澤パンは、住宅地を下りて行く感じで近い。
ここのパンは、天皇家にも献上したり、小田和正も盛岡でコンサートがあると買いに来る話もある。
宮沢賢治が山や森で食べるため買い求めたと何かで読んだ。
品数は少ないが、しっかりとして好きなパンの一つだ。
光原社、川徳デパートにも置いてあるクルミクッキーは、食いしん爺の好物。
関東などから来た人へのお土産と決めている。
品のある甘さと丁度いいしっとり感は、流石に歴史のある店ならでは。
美味しいパン屋さんが多い街
盛岡は、麺に気を取られがちだが、実は、美味しいパン屋さんが多いと想っている。
個性的な珈琲店も多い、「食」の豊かな街なのかもしれない。
バターは、よつ葉バター
北海道は十勝の酪農家が自分達の良質の牛乳から自分達の手で乳製品を作っている。
牛乳の価格が不安定で苦労の末に辿り着き、今や半世紀の歴史を持つ。
まず、乳牛の飼料を厳選、穀類の割合を管理し遺伝子組み換えなどの無い飼料。
そして自信のある物を作り上げてきた。
よつ葉バターは、今ではレストラン、ケーキ店などの業務用の4分の1を担うほど支持されている。
「こだわり人」は、こだわりの物を使い、調理し「安心」を添えて、テーブルに置く。
まだある、こだわり
民泊の風呂の蓋は、「桧」 手作りで、これが優雅でいい香り。
こんなところにも、こだわる「こだわり人」
二度目にもお土産にもらった無農薬のズッキーニ
手をかけれなくて育ち過ぎたと言うが、とても美味しかったと話した。
二度目は、催促したも同じ(笑)
そのままスライスしてサラダに混ぜて正解。
始めは育ち過ぎだと想ったが、口に入れるとほんとうに美味しかった。
こだわりは食器にも
積み重ね考えられててきたてカーブの曲がり具合や銀や銅製の輝きは、
見ているだけで楽しい。
ある日、パソコンが2台壊れて、東京は神田まで修理に行った。
その時、買い替えも覚悟して資金を持っていたそうだ。
ところが、2台とも保証期間内だった。
パソコンは治り、修理代もかからなかった。
「めでたし、めでたし」となるのだが、この人は違う。
その足であちこちに行き、「お金は銀やら銅やらの食器に変ったんですよ」
と奥さんの怒る訳でもない呆れ顔。
食器や雑貨の一つ一つが楽しいのです。
グランドピアノもあり、先日は「JAZZ」のライブも
不思議なことは、
ここは、人里離れた場所ではない。
市街地から連坦する住宅地の丘の一番上にある。
西に下ると高松の池の方に降りる。
小峠のてっぺんにある。
つまり、すぐ家が隣から丘の下に連なり、反対側が森に接している。
雑誌「盛岡食いしん爺のもりおか自慢」を民泊した人へ提供して頂こうと数冊、
ある人に託した。
後から聞くと、
「あの人は、食いしん爺じゃない!腰も曲がってないし、食いしん坊だ」
とマスターが話していたと聞いた。
今度は、杖を持って行く(笑)
数日前にメッセージが来ていた。
「神奈川の餃子を食べに行かないと一生 後悔するよ!」
また、その前に、
「病み上がりにはね、きじやまカフェは運気がいいんだよ」
と元気づけられた。
二度目もジブリの出入り口の玄関先で、仲良し夫婦と優しい夕景に見送られた。
そういえば感想に困ったのが、このイラスト。
なんかの展示会に出したらしい。
このところの体調不良も癒えつつあり、早く行きたい「きじやまカフェ」
今度は、ガッツリと「肉料理を食べたい」とお願いしているので楽しみだ。
食器や雑貨、料理の素材や音楽など幅広い話をしにやって来る人。
朝早く、畑仕事を終え、野菜を手土産に珈琲を呑みに来る人。
初めて来て、気に入りもここで何かをしたいと想う人。
県外や外国からも泊まりに来る人。
こんな場所を「人間交差点」と言った人がいる。
種を明かすと閉店間近の餃子をマスターと食べた人だ。
不思議とそんな場所が多い街なんだと想う。
きっと人間交差点は、あちこちに山ほどあって、探しに歩こうと想っている。
そして、交差点も含めて「街は、暮らす人々が創る」