平成最後の夏になり、初めてのスペシャリティ珈琲 「ゲイシャ」

AURORA COFFEE ROASTER(オーロラcoffeeロースター)にて

――― 年に数度の楽しみ 「ゲイシャ」という名の珈琲ーーー

 

それを1000円で! 

普通に考えて半額以下。

自分へのちょっとしたご褒美か、悩み抱えている時などに飲みに行く。

たっぷりの一杯は、するすると喉を通り、あっという間に無くなる。

北欧のアラビアのカップとソーサーがまたいい。

 

始めて「ゲイシャ」と出逢った時、珈琲じゃないような感覚に陥った。

中南米生まれで、エスメラルダ農園で栽培され、

2004年、珈琲の品評会で突如として表れて最高峰を射止めた、

だから珈琲の「最高宝」と書きたい。

これを採算を度返しで淹れてくれるマスター。

「いいものは、沢山の方に飲んでいただきたいですからね」とニコニコ。

ところでゲイシャの名は、着物姿の「芸者」さんとは無関係。

 

さて、この味を表現してピッタリの言葉に、まだ出逢っていない。

食いしん爺なりの精一杯の挑戦。

まず、今までの珈琲とは香りが違う。

味についてよく言われるのが「フルーティ」

でも、もっと深い味、なのにするすると喉を通ってしまう。

心奪われる魅惑の味。

 

スペシャリティ珈琲の中のスペシャリティ「ゲイシャ」

 

 

 

国道46号線を雫石に向かい、街には入らずに御明神という集落に向かって左折。

丁度、国道が秋田方面に向かって、跨線橋を渡りながら左に大きくカーブする前に、

ローソンがある。

その信号から曲がると田沢湖線の踏切があり、

運が良ければ秋田新幹線「こまち」が目の前を通過。

続いて、すぐの信号を右折して道なりに。

近頃は、雫石の昭和漂う街並みをどこまでも真っすぐ、

街を抜けても道なりに、とにかく西へ向かう。

 

オーロラcoffeeは、もう4年。

コンテナハウスの4席だけの小さな喫茶店には、

自分の手で、1年かけて創り上げたマスターの世界がある。

「大変だったでしょう~ 1年も」と一緒の人。

口を挟んだ。

好きなことを始めるんだから、大変も辛いもなかっただろうと。

「はい、まったく」 とマスターは笑った。

すると、その人、こっちを見て言った。

「爺は、好きなことに向かっていても愚痴が多い(笑)」

 

 

来るたびにどこかに工夫。

天気の良い日に小さなテントを出すのだが、もう一つ緑に囲まれた

一角にレンガを敷いたが端っこに、何年ぶりかのカタツムリ。

百日紅の木が真夏の空を背景に花を咲かせていた。

 

 

小さいがお洒落な店には、マスターのでっかい夢が詰まっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日は、ニカラグアのスペシャリティ珈琲を挽いてもらった。

 

 

「夏だとテラミスは、クリームが崩れやすいので珈琲ゼリーMILKとラテゼリーも作りました」

「へえ~ どっちも食べてみたい」

「ハーフ&ハーフも出来ます」

「えッ! じゃあ一つ」

 

コーヒーゼリーMILK ラテゼリーとのハーフ&ハーフ   650円

MILKは近くの農場の牛乳を低温殺菌している。

夏の味はとても美味しかった。

 

 

珈琲に合う物も夜な夜な夢中で考えているのだろう。

 

ベタだけれど、マスターにとって珈琲とは?

「なんでしょう、音楽を奏でるのと同じに、無限の可能性があると思っています、

沢山の弾き方や音色があるように」

「でも、美味しいとまずいは、数秒の違いで結果が異なります。まだまだ学ばないと」

 

オーロラcoffeeの夜

(2年ほど前の写メ)

また違う雰囲気に。

 

 

「二十代の頃、仕事を終えて、

音楽を聴きながら珈琲を飲むのが楽しみでした。

実は、波乗りもしていた時期があり、

海から上がり冷えた身体に珈琲が美味しかった」

と話す。

いつも一緒で、しだいに珈琲に恋したマスター。

 

今日、一緒の人は、初めて来た帰り道に言った。

「やる気になれば、どんな小さな店からでも、始められる」