<久し振りの投稿です>
5月3日のこと
ゴールデンウイークの最中、盛岡は朝から小雨
盛岡の街を見晴らす、岩山の「GEN・KI」を訪ねた。
岩山には、二つの展望台があり、
手前の方の下にカフェがある。そこが「GEN・KI」で、素晴らしい眺めなのだ。
「あと、一週間はかかりますかね~」
大通りにマスターが仕切るもう一つの店がある。
そこは「黒ヂョカ」といい、沢山の焼酎などは酒屋さん顔負けのコレクション。
全て、急ぎ運び出しているさなか。
でもマスターは、疲れを隠してゲンキ。
「ちょっと、マスターの話をしよう」
全国をあちこち巡っていた彼は、盛岡を訪れ中華そばの人気店「中河」の虜になった。
毎日のように食べに行き、弟子入り志願までしたが願いは叶わなかった。
家族経営の店で弟子はとらない。
でも、彼は通い続けた。
結局、盛岡で働きだし、ついには「黒ヂョカ」の店を引き継ぐまでに。
たまたま来た岩山の風景に、惚れ込んだ彼は、いてもたってもいられない。
とうとう展望カフェを始めた。
昼は岩山、夜は黒ジョカの生活。
しかし黒ジョカは、4月いっぱいで閉める事になり、岩山一か所に絞っての再スタート。
珈琲を飲んでいると、急に目の前の景色が濃霧に包まれた
音も無いまま、新緑もモノクロの世界になった。
真昼なのに、灯りが際立つほど薄暗い。
標高の高い山脈で、一気にガスが流れるように景色が変わった。
この辺りでは珍しいことなので、帰りの運転が気になりだしていた。
「こんな濃い霧は珍しいですよ、こんな風景もいいですよね」とマスター。
椅子にもたれ直して、深い相槌を打った。
しばらくして、濃い霧は、どんどん流れて隙間から街が見えてきた。
ここで「夜明けのコンサート」や夕景を眺めての「ワイン会」などと色々な事を手掛けては、
新たな人との繋がりが出来たと喜んでいる。
彼の笑顔をみては、想う、
「マスターは、盛岡に恋してる」
<写真「盛岡食いしん爺のもりおかじまん」より>
カレーを食べている人の手が止まった。
「素敵な景色を眺めながら、美味しいカレーを食べるなんて贅沢気分」と微笑む。
<写真・松本伸 「盛岡食いしん爺のもりおかじまん」より>
霧の時間は、幻想的な動画を見ているようだった。
麓の街から、車でせいぜい数分の登りだが、北国盛岡の冬の坂道は大変だ。
マスターは、いよいよ通年の営業に挑戦。
色々な困難はあるだろうが、本格焼酎「黒ヂョカ」は、
ここに引き継がれた。
さて、一方「盛岡食いしん爺」は」これから、どうする?
※ 大幅リニューアルをと思い、試行錯誤して一か月。
結局、元のスタイルに戻ってしまいました。