<音楽が出ます。音量に注意>
いつからだったかな、直利庵の改装工事? いよいよ再開の情報がFacebookに
では、行かねば!
久々に潜る暖簾が新しい。今まで一番食べてきた「天ざる蕎麦」を注文。
天つゆと天婦羅がきた。
見事な海老天、野菜とカキの天婦羅まで!
季節を感じてサクサク。う~ん 美味しい。
ざる蕎麦の上品な海苔が、ふんだんにのって蕎麦と絡まりいい香り。
この香りが好きだなぁ~
前より明るくなったかも。
お祝いの花があちこちに。
2階に上がる玄関と繋がったので、トイレにも行きやすい。
昔からの雰囲気が残り、相変わらず落ち着く。
<新装なった「直利庵」に合わせて総集編>
若い頃は、何度か2階で「わんこそば」を食べたし、宴会の場でもあり、法事の後に親戚を連れて来たりした。
明治17年創業で、かるく一世紀を越える老舗なのだが斬新なメニューの発見もあり、何度か驚いた。
まずは 「カツ中華」の衝撃!」
たいていは見ないメニューを時々眺めては、驚くのも楽しみ。
中華そばは勿論知っていたが「カツ」とは恐れ入った!で、美味い!
カツシリーズのもう一つ「カツカレー蕎麦」
蕎麦にもカツときた。一度食べてから、病みつき。
細く長い蕎麦にトロリとした汁が絡む。
とにかくカツが、少しおいてもふやけずに、
サクサクっとして美味しい。もともとカツ丼も人気。
「豪快! オニオン蕎麦」
知らない人が見たら、出汁でも取る様に見えるかも。
盛り上がるほどの鰹節の削り節の下にオニオンスライスが層をなし、更に下に蕎麦が待っている。オニオンだけでも美味いのにたまりません。
夏は、これ!
「冷たい野菜蕎麦」
夏の人気メニューで、ビジュアルも身体に優しそう!
両方とも、蕎麦とほどよい中華風の汁と抜群の相性で、箸が止まらない。
今回のおしまいは 「おろし蕎麦」
初めての出逢いはどんな味かと少し構え、汁を先に。
すると、まろやかなスープで、とても美味しかった。大根おろしは凄い。
<前に書いた、もう十年以上は前の話>
その年の夏は、やたら暑い日が続いていた。
胃袋も元気なく、ランチにざる蕎麦が食べたくてやって来た。
直利庵は行列。
でもタイミングよく、次々にテーブルが入れ替り列は進む。
少し前の背の高いお爺さんが、不自然に何度も振り返る。
不思議に思っていると頭を下げるが、自分にじゃないと思っていた。
すると、目の前に立ち「S先生も、ここに来るんですね」と話しかけてきた。
「あの、S先生ではないのですが」と答えると瞬きもせずじっと見る。
数秒の事だろうが、心地良いものじゃ無い。
「あっ、失礼しました!人違いです!」
しばらくして、相席で案内されたが、そのお爺さんのテーブル。
「いやいや、背格好から似てますし、特に笑顔がそっくりです。こうしていると気味悪いほど似てますよ。一度、お会いしたら2人とも驚くでしょう」と笑う。
その時に教わった。
せいろに残る蕎麦は、箸を直角に立てると短い端切れまで、たやすくつかめる。それから、蕎麦をお代わりするなら「権八(紅葉卸)」をもらうと味が変わり、美味しさが続くと教わった。
その後、瓜二つの人とは会っていないし、直利庵で権八を頼むちよっとした勇気もない(笑)
気がかりなのは、それ以来見かけないお爺さん。
あの日の様に蕎麦を勢いよく食べて、まだまだ元気でいてくれると嬉しい。
今日も箸を立て、綺麗に食べた。