<音楽が出ますので、音量に注意>
日本を襲った今年最強とかの寒波。
雪は少ないが、ここ数日は凍える寒さの盛岡。
あっという間に灯油も減り、せっせとタンクに詰める。
1月15日の夕方、昼から「どんと祭」で炎が立ち昇る盛岡八幡宮。
夕方、盛岡冬の風物詩、裸参りの行列が始まった。
どうしても今年は、足元を見てしまう。
きっと感覚もないかもしれない。
15日も昼から気温が上がらない。
そのうえ、夕方に降り出した雪。
一年を無事に過ごし、破魔矢、お札などを持って。
昼間には数メートルの火柱が立ち昇る。
夕方には、流石に炎も小さいが寒さに負けじと燃え上がる。
でも、お札を持って、そばに寄れば顔が熱い
なんか御利益がありそうな暖をいただく。
そして本殿にお詣り。
いよいよ、肌参りの行列が八幡宮の境内に。
肴町から、一直線の通りを大きく一歩進み、また一歩と独特の歩き方。
口に唐辛子を入れた白紙を加え、身体に晒しを巻いて縄と腰にけんだいわらという藁で作ったこし美濃の様な物を巻く。
素足にわらじで、願いを込めた一歩を大きく雪の上に踏み出す。
凍てつく中、ゆっくりと進み一年の無事息災を祈願する。
厄年の男女は厄を払う。
盛岡八幡宮には100人を超える人が参加していた。
12日から15日にかけて盛岡の街では、盛岡八幡宮の外に、桜山神社、酒買地蔵など数か所で行列がある。
八幡宮で、女性も。しっかり前を見つめて歩いていた。
この行列を横切っていはいけない仕来たり。願掛けが途切れると言われている。
一昨年、渡った女性がいて、数人に取り囲まれる様にして戻された。
勿論、今は笑いの中だが、昔だったら強く、叱られたのだろう。
藩政時代から続く裸参りは、今も脈々と受け継がれ南部盛岡の小正月の風物詩。
モノクロにすると、おさらく昔も今と同じに、変わらない光景なのだろう。
無事、続々と八幡宮に。
見ているだけで身体が冷えて手袋の中の指もかじかむ。
脚の指先は、寒さで感覚が鈍い。
さて、温もりを求めて足早に、直利庵を目指した。
店は、混んでいたが、なんとか座れた。
ほっとしてメニューを見ていると気になるものがある。
「おろし中華」
店の人に聞いてみた。
「大根おろしが入った中華そばです」
「・・・・・はあ、そうですか」
しばらくメニューを見ていると、
「男らしくないなあ~、じゃあ頼んであげるね、すいません「おろし中華」一つ下さい!」
と大きな声。
来た! ほんとに大根おろしが、真ん中にドーンと鎮座している・・・
向かいの人は、
「わぁ! 凄い!」
隣のテーブルの人がチラ見。
食いしん爺は、いつもはスープからなのだが、珍しくチャーシューからスタート。
しばし、覚悟がいる(笑)
チャーシューがあっさりしてやわらかいるが、噛むと豚肉の旨味が口の中に拡がる。
それに、なんだろ? 肉の味がまろやかに感じる。
次にスープ。
「美味い!」と叫ぶと向かいから蓮華が伸びてきた。
「ほとんだ、美味しい」
さては、様子を見ていたな。
大根おろしが入っているとは思えない。
想像と違って、全体がまろやかなな味になっている。
これは食べてみないと分からない。
スープは勿論、チャーシューも麺も、全てをまろやかに包み込んでいる。
「大根おろし」恐るべし(笑)
老舗直利庵で見つけた今年初の驚き。
美味しかったし身体も温まった。
帰りに盛岡八幡宮を通ってみた。
どんと祭、裸参りが終わり、賑わいも消え、静かな佇まい。
そんな八幡宮もいいが、寒すぎる。
車の温度計は氷点下4度。
今頃、裸参りを終えた人達は、
どこかで労をねぎらわれ、なみなみと注がれていることだろう。
やり遂げた後のみんなの笑顔が目に浮かぶ。