<音楽が出ます、音量に注意>
夕暮れ、
冷たい雨がアスファルトを濡らす。
雪になりそうだ。
ある人と待ち合わせのコンビニ。
眩しい人工的な光の中で、タバコとホットコーヒーを無機質な笑顔と共に受け取る。
それが気楽な時も。
まだ時間はある
雨が止み、蒼白い月がビルの隙間から顔を見せ雲に隠れた。
細く開けた窓から出ていくタバコの煙。
意味のない溜息の後、浮かんできた黒い瞳。
太陽が沈むと作り笑いは消え、月の光を吸い込む妖しい瞳。
酔えば幼子みたいにしゃくりあげ、泣き散らして拳で腹を突いてくる。
夜は、子猫の様に丸くなって眠る。
ある日、別の人と
偶然、右折レーンに止まる黒い瞳。
激しく上下左右に身体を揺らしてこっちの助手席を激視。
信号はなかなか青にならない。
走り出すと激しく震えるスマフォ。
コンビニに止め、車を降りた。
短いメール「嘘つき、最低、最悪」
大きな眼玉を充血させた般若が迫る。
コツコツと窓を叩く音で夢から覚めた
待ち合わせの時間。
車のドアを開けると額の辺りが汗ばんでいるのに気づく。
「お疲れです。車、暖まると気持ちいいから」
と優しい笑み。
夕ごはん食べつつの打合せ。
場所を考えるはずが居眠り。
どうも呑み会続きと夢見のせいか、あまり食欲もない。
そうだ! こんな時は「SABO(サボ)」
決めた途端、あのpizzaのモチッと感とマスターの笑顔が蘇る。
「SABO(サボ)」
メニューを覗き込んでいると、
「元気になりましたね」
ミニサラダ。
「う~ん、美味しい!ドレッシングもさっぱりして、なんというかのかな、いきとどいてる」
いい笑顔。
緑のグラデーションが食欲をソソル。
フォークもスプーンも滑りにくい様に浅い模様。
ポモドーロ
適度にモチモチのパスタにトマトソース、シンプル。
そこに、パルミジャーノチーズたっぷりなのでコクがある。
なんでも、このチーズはイタリアの原産地保護制度の認証がないものは、
×の印がつくらしい。
「美味い!」
に応えるマスターの笑顔。
ボスカイオーラ
キノコとツナにルッコラが綺麗。
食材にこだわるマスターは納得する素材を求め農家を訪ね歩く。
通年でルッコラを栽培している人がいて真冬以外は使う。
これが適度な苦みで美味しい。
Pizza 「マルゲリータ」テイクアウトのはずが・・
焼き上がりのいい匂い。
我慢できずに箱を開け、食べだした。
モッツアレラとトマトソースにバジル。
笑いながらマスター、
「皿をお持ちしますか?」
首を横に振り、手掴みでパクパク。
「耳だけ食べたいと言うお客さんがいて、工夫して焼いたことがあります」
SABOは、開店して6年
初めて来た日は、広めのテーブルで打合せ
相方は、パスタ好きで美味しさにノリノリ。
ビールから珍しくワインになり、資料片手に絶好調。
ダメだしの連続。
運転の食いしん爺は、珈琲のお代わり。
珈琲も美味しい。
初めて来てから5年。
可愛らしいオレンジの砂時計。
時間の流れを見ている様で楽しい。
ファイヤーキングのカップ
マスター自慢のコレクション
打合せは、美味しく楽しく進んだ。
送り届けての帰り道。
どこからか、
鰐皮のピンヒールのコツコツが聞えてくる気がした。
振り向くと街灯に浮かぶ細かな雪。
家に着いても持ち帰りのpizzaはモチモチ。
また、一切れ。
サボのpizzaとこの曲、
「ボラーレ!・ カンターレ!」
一息ついたら仕事しよう!
SABO
みたけ5丁目18-36
080-2814-3912
11:30~14:00
18:00~22:30
今月のお休みは、火曜日、12月29日~1月3日
<要確認>