<音楽が流れます、音量に注意>

 

 

近頃は、よく行く中津川界隈

擬宝珠が歴史を物語る上の橋を東に渡る。

立ち止まり川を覗く。

そろそろ、「鮭」が遡上する季節の始まり。

仙台湾の石巻から、北上川を遡上するおおよそ200キロ。

命がけの旅。鱗は剥げ、傷だらけ。

ボロボロでも、鮭の次世代への命を繋ぐ営みほ成し遂げる。

流石にまだ、見えなかった。

 

30万都市の街の中を流れる川に上って来るのは貴重で、川が綺麗な証。

渡り終えると、焼肉&冷麺の「米内」があり、

向かいの「丸竹茶屋」は、8月末で店を閉めた。

信号のあるT字路のそば、黒壁の蔵に「正食普及会」があった。

しかし、ここも閉めたらしい。

仕方ないことなのか?

川風が冷たく感じる。

 

その裏に蔵があり「一茶寮」がある。

 

 

8月で閉店した「丸竹茶屋」の建物が消えた時、

切なさは頂点に達するのだろう。

 

黒蔵の真裏にある「一茶寮」は、白壁の蔵。

 

 

 

入口に差し掛かると不思議と心、穏やかに。

 

一階はギャラリー。

「先に行ってて」

彼女は、ギャラリーを一巡り。

 

 

 

「一茶寮」へは、少し軋む階段を上がる

 

初めて来たのは、いつだろう。

椅子に座り、肘をついて顎を載せていると、

時代を遡った空間にいる錯覚。

 

若かりし頃、

時間を忘れて夢中で話した。

いったい何を話していたのだろう。

 

 

 

店の人が

庭に咲く一輪の薔薇を切って来た秋の薔薇。

 

 

敷物に染めつけられた暦、九月は初茸売。

 

 

ベーコンのトースト

 

 

蒸パンとスープのセット

軽く蒸してあるので更にソフトでスープにはブロッコリー。

珈琲付き。

美味しくておやつ代わりに、一気に食べたあの頃。

 

 

 

ギャラリーを楽しんで来た人は、ランチを済ませて来たらしいが、

蒸しパンをつまみ食い。

「うん、美味しい!」

また、手が伸びてパンをちぎる。

 

 

天井から下がる竹や紙製ので灯りは優しく、

テーブルを優しく照らす。

 

 

懐かしそうに見回して

「ここは、やっぱり落ち着くね」

少女が大人ぶった言い方をしたみたいに聞こえた。

ちよっと吹き出し気味に笑うと

「なに、なんなのよ」と大人に戻った。

人は、さほど変わらないのかもしれない。

あるいは、一茶寮の空間に想い出が渦巻き、

時空が、いい具合に歪んだのかも。

 

昔の様に話し続けるエネルギーは無い。

ゆったりと座り、何気ない会話。

 

「そんなものなのです、幸せは」

と壁際に飾られた仏像様の囁きが聞こえた。

 

 

人も変り、街も変わって行く。

しかし、鮭の営みは変わらない。

あの昭和の時代の時間の流れが、丁度いい。

 

時折、時間の流れが早く感じる。

そんな日は、ここで一息つくことにしよう。

頬杖をついて目を閉じれば、

いつまでも話し続けていた、

昭和の頃の話が聞こえて来るかもしれない。


 

 

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