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5月の半ばからの断捨離は、7月に入って
ひと休み。
かなりの物を捨て、フローリングスペースが広くなった。
広々としたが、少し寂しい。
その後、
本や昔の紙幣、切手、陶器などを段ボールに詰めては、
何度も古本屋、リサイクル店へ。
物が減り、迷う物を手に取る。
例えば、バスケットシューズ、ラグビーのスパイク、Tシャツの一つ一つに、
「ありがとう」と心の中で呟いて、そっと半透明の袋に入れる。
一つ、またひとつ想い出を噛みしめては、軽いため息。
あるいは、「これは、捨てれない」と呟いたり。
いつしか心の断捨離になった。
疲れる。
だから、一休み。
換金したお金で自転車を買おうと考えた。
久し振りの自転車は、
先日、見た盛岡の空の色に決めた。
夕焼け色にした。
早速自転車に乗り、ある人を訪ねた。
大切なので玄関に入れてもらう(笑)
昼時になり、
2人で、街中サイクリング。
目的は「鰻」
北上川の傍、ホテルルイズの地下にある「開運亭」へ
久し振りの鰻は、あっという間に消えた。
戻り道、自転車は爽快。
アスファルトに溜まった熱を蹴散らして走る。
でも、信号待ちでは、全身から吹き出す汗。
それでも、あまり変速せずにペダルを漕ぐ。
「鰻エネルギー」
そして、紺屋町まで戻り、「六分儀」で珈琲時間。
シャンソン、マンデリンとチーズケーキ。
奥の壁には「ビュフェのサーカスの女」
行ったり来たりで結構な距離を走ったが御機嫌。
チーズケーキの上の淡いオレンジ色。
「ん?」
20代の後半、淡いオレンジのドロップハンドルで、
遅い車を追い越して駆け抜けていた。
自転車で遠くにも行った。
しばらくして、同じ色の自転車で現れた人がいた。
「真似です」
と真っすぐな視線。
六分儀の階段の下に、
時々、淡いオレンジが並んでいた。
ドロップハンドルは時々遅れる。
自転車は、着いていますのサイン。
一緒にケーキも食べた。
「美味しそうに食べる人ですね、ほんとに」
あの頃は、ガツガツの最盛期。
店先に並ぶオレンジは、人目についた。
噂は、積乱雲の様に膨れ上がり、2人は、辺りを気にしだす。
そんな頃、
車で2時間ほどの街でバスケの試合。
キャプテンと僕は、仕事で遅くなり、深夜に向かった。
外のメンバーは、朝一の試合に備えて泊まり込んでいた。
深夜に着き、2人で車の中で寝た。
その夜、彼が恋心を抱いている相手を知ることになった。
最後に逢ったのは、さんさ踊りの頃だった。
そう言えば、彼女もビュフェが好きだった。
盛岡の街は、
川、そして川を挟む街も美しい。
特に、中津川の東は、
懐かしい町並みとそこに暮らす人達がいい。
「当たり前のことが、自然に揃っているから暮らしやすいのでは?」
と言った人がいる。
オレンジにまたがり、街を巡る。
もう、オレンジが2台、並ぶことはないだろう。
ゆっくり自転車で路地を走れば、想い出は、スローバラード。