<音楽が出ます、音量に注意>

 

 

北国の夏の始まり、6月下旬のある日、

 

 

花巻温泉のバラ園に行った。

山の斜面の広い敷地に、色とりどりのパラと香りが拡がる。

綺麗だ。

 

薔薇の花言葉は多い。

花、蕾、本数によっても違っていたり。

 

残念ながら見なかったが、

蒼いバラ、プルーローズは、「夢がかなう」「奇跡」とか。

 

代表的な真赤な薔薇は、

「熱烈な愛」

その写真を切ない歌を聴きながら、

見た。

青空の下、

とても優しい紅に見えた。

 

 

 

そして、

ビロードの様な深紅の一輪を想い出した。

ピアノの上の花は、

JAZZの鼓動に包まれ、

ドキドキするほど美しかった。

 

 

白は、純潔など、

蕾は、「恋するには若すぎる」なんてのもある。

 

白薔薇に騙されて棘を刺してしまいそうだ。

 

 

ピンクは、「しとやか」など

 

 

ふと想い出す。

今は、もう無くなった、

公会堂多賀のテーブルに飾られた淡いピンクのカーネーション。

あの時、

「綺麗な薔薇?」

「花音痴ね」

と向かいの人は、身体を揺すって笑った。

でも、とても優しい花に見えた。

 

 

 

イエローはというと、

「愛の薄らぎ」「嫉妬」などと。

 

もし、灰色の空の下、雨が降っていたなら、

 

「行かないで・・・」

 

その時の自分の心を映し出す。

 

 

あの日、ゆっくり園内を巡っていると、

薔薇の花が不自然に揺れていた。

「おや?」

猫ちゃん。

 

 

紅、ピンクの花びらに囲まれ、髭を前に突き出す。

きっと虫でもいるのだろう。

一人、機敏に動き回る。

「どこから来たのだろう」などとは考えず、

はしゃいでいる猫ちゃんの傍にしゃがみ込んだ。

 

 

しばらくして、花弁のカーペットに腹ばいになった。

一休みは、黄色の薔薇の傍ら、

この猫さんにとって黄色の花は、「安らぎ?」

 

 

 

今度、小雨の中を来てみようと思う。

その時、薔薇の花々は、どう映るだろう。

いやいや、雨のせいじゃない、

その時の自分の心しだい。

落ち込んだ心に青空の彩度は、薄れ、

気がつけば、薔薇の群れは優しい花に見えている。

 

こんなに種類も多く、色々な顔の花も珍しい。

薔薇をこよなく愛する人が多いのだろう。

きっと、

みんな色々に想うのだ。

 

ブルーローズを見てみたい。

海でもいい、

蒼を求めて旅に出かけようか・・・

 

 

近頃、どうも眠れない夜が続いている。