<音楽が出ます、音量に注意>
ここ一年、複数の関節を痛め、好きな運動を休んでいる。
夏の終わりから歩き始めた。
てくてくと盛岡市の中央公園や岩手県営運動公園。
今では小岩井、鞍掛山の麓へも足を伸ばし、
温泉で心身を癒す。
先日はあいにくの雨模様で、真っすぐ鶯宿温泉へ。
雫石の街に入る頃、
陽は傾くも鉛色の雲に切れ間がのぞく。
桜で知られる雫石園地に寄る事にした。
堤防の上は、水はけが良いとふんだ。
駐車場に停め、一応傘を持ち、枯れかかった草を踏んで歩いた。
広がる田園に米粒を散らした様に白鳥が数十羽もいた。
その近くを秋田新幹線のこまちが滑らかに走り去る。
緩やかにカーブする園地の先へ。
川が御所湖に流れ込む辺りから霧が流れ、
久し振りに見る霧は濃く、幻想的だった。
霧に誘われ西の端まで歩いた。
雨は止んだが暗くなり始め、急ぎ足で戻る。
半分ほど戻って膝に痛み。
街灯は見当たらず、足元が見えにくい。
脚をだましながら、駐車場の近くまで来た時だった。
暗がりから鳴き声が聴こえたと思ったら突然、白鳥が現れた。
数十羽の白鳥のV字がすぐ真上を飛ぶ。
顎を上げ眼を見開いた顔に、
白鳥の羽音がグワン、グワンと響いてきた。
写真を撮るのも忘れた。
<二羽が、違う方向から飛んで来た>
車のシートを倒してひと息。
身体が火照る。
白鳥の羽の音が耳から離れない。
しばらくして鶯宿温泉へ向かった。
気になっていた団子屋さんに入ってみた。
<鶯宿温泉、餅工房「むらかみ」さんの懐かしい味のキリセンショと草餅>
手造りの味は、懐かしい味で美味しかった。
初めてだったが入って良かった。
冷めやらぬ白鳥の感動が、背中を押したのかもしれない。
温泉に浸かりながら、
まだまだ未体験の事があるものだとつくづく。
今年は、スキーを担いで、あちこち飛び回りたい。
明日も歩こう。