<音楽が流れます。音量に注意>
東京新宿で4泊5日、
仕事を終え盛岡に帰って来た。空気の冷たさが違う。
翌々日の午後、運転中に突然の鼻水と咳。
どうも喉からの咳じゃない。コンコンと気管支の辺りから沸き上がる。嫌な感じ。こんな時は、すぐ耳鼻科。
体温計を脇の下に挟んでいる間にも熱っぽくなる。
「まさか?」 ここ何年もインフルエンザとは縁がない。
体温は37度5分。鼻の奥に細い金属が入れられる。ジワリと涙。
カーテンで仕切られた場所へ。再び呼ばれるや否や、
「間違いなくインフルエンザA型です」
治療の説明を受け、また仕切りの中へ。看護師さんからの丁寧な説明。
「はい、わかりました。ありがとうございます」
するとカーテン越しに呼ぶ声。
一緒に東京で仕事してきた方だった。
すぐ、いかにも化学的な「イナビル」を吸う。初めての体験。
①押して次は②に、それを繰り返す。2個目も同じに。心配性なので、もう一度。
インフルは治っても、性分は治らない。
後は、眠る。
その晩から、死んだ様に眠った2日間。汗ばんでは着替えて眠る。なんぼでもいける。
3日目、まだ食欲なし。果物系も欲しくない。起きたら水分を採り、また眠る。
その晩、むくっと起きた。
身体が無性に珈琲を欲しがる。珈琲を淹れる午前4時。MILKをたっぷり。次にMILKを飲む。口の輪郭が白くなる。
ふと、日本の牛乳の実態を紹介したブログが浮かんできた。
狭い囲いの中で繋がれた乳牛のたった数年の一生。草ではなく配合穀物を与えられ第4の胃の機能の麻痺などがおこるらしい。15分ほどに纏めた動画もあった。
「水より安い牛乳」
噛みしめて牛乳を頂く。人は、食物連鎖の頂点に立っている。責任は重い。
そんな事を考えていたが、また、睡魔が襲って来る。
化学的な眠りの誘惑。
4日、5日経っても眠い。
でも、体調は上向き。少しパソコンを見ながらチョコレートをかじる。
「あ~旨い! 生きている」
「ん、プラリネペースト?」
焙煎したナッツに加熱した砂糖を加えてカラメル化したもの。
ふぅ~ん。分かったようで分からない。
インフルと闘いながらの珈琲とチョコレートとアーモンドは絶妙、そして牛乳に感謝し、幸福感に浸っていると、山地酪農の牛たちを想い出す。
初めて行き感動し、再訪した。
放し飼いの牛たちは、のびのびと暮らしていた。
広大な山の斜面を牛が藪を食べて刈り払い、余計な樹木を切り、太陽をいっぱいに浴びた芝が山一面に拡がる。芝は、しっかり根を張り、大雨にも地肌を守る。
その芝を牛たちは望むだけ食べて生きる。
一頭の年間当たりの搾乳量は少ないが寿命は長い。どうなんだろう? 長く生きる分、量は多いのかもしれない。
絞った牛乳は、季節ごとに違う味になる。「命の牛乳」
そうだ、しばらくしたら、あの山に行ってみよう。
6日目、食欲全快。焼き肉と身体が叫ぶ。

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