<音楽が出ます。音量に注意>
<大貫妙子さんの「横顔」 いい曲だなあ~  by 食いしん爺> 


そう、クリスマスの前だった。

miーcafeに行った。

樹々は、丸裸。今年のフジの収穫も無事に済んだみたいだ。

林檎を育む人たちの手で林檎は、さらに綺麗になり別の美味しさに変身する。
その日の目当ては、「りんごのトースト」 採れたての林檎がたっぷり。

思わず唇が緩む。
 

 
70年を過ぎた古木は、夕陽を浴びながら来年の実りのエネルギーを蓄え始めている様だ。その姿は地上に現れた龍の様に見え、ついつい脚が止まる。心惹かれる、この風景。


 

 
雪が残っていた。 
霰混じりの雪だった。
 

 
店に入ると入り口近くのテーブルに林檎の出迎え。

今年の春も真ん中がだけが淡い薄紅色の白い花が咲いた。そして、もうこんなに赤くなり、見事にテーブルを飾る。

春からもう冬、季節は駆け足。今年も残り僅か。
 

 
まずは、フォカッチャで遅いランチ。
 

 
林檎のトーストも並べて。眼から始まる「美味しい」
 

 
素材の味を活かしきる林檎のトーストを眼下の林檎園を眺めて食べる。ひと際美味しい。
 

 
陽が傾く。
それを、ここから眺める20分、食いしん爺の大好きな時間の始まり。
 

 

空の青は、澄み切った空気の中で蒼に変わって行く。

日没で閉店。



 
龍の様な樹は、葉を落とし雪に備える。
当たり前に、近づく一年の終わり。それがどれだけ素晴らしい事かが分かってきた。何かを探し続けて生きていた青春時代、変わらない自分に苛立つ時もあった。
壮年時代に東日本大震災や熊本の震災、岩泉の洪水など地球上でいつ何が起こっても不思議ではない事を経験した。ここ数年で人間の力を遥かに超えた大自然の脅威を目の当たりにした。

この丘の林檎の樹々を大切に育み、実りを美味しく食べさせてくれるmi-cafeは、その日も訪れた人の笑顔が溢れていた。
夕景を見ていると穏やかな気持ちになる理由が、少しだけ分かってきた。今年も同じ場所で眺め、美味しいと感じている。そう、変わらない風景と美味しさ。
 
 
 

 
さて、miーcafeで来年のバレンタインの頃、林檎の薔薇は咲くのだろうか?

それとも違う何かを食べれるのかな?
沢山のドラマが生まれる冬のイベント、クリスマスそして2月のバレンタイン。
今年のバレンタインの頃、隣のテーブルに並んで林檎の花びらを分け合っていたあの二人は、来年も窓に向かい、互い違いに横顔を意識して話すのか、あの時は、もう戻らない。

変わらない事は、なかなか難しい。
 
<今年のバレンタインは、アップルパイの薔薇、さて来年も登場するのかな?>

 
食いしん爺は、来年、mi-cafeで誰の横顔と並んでいるのかって? 食いしん爺の恋人は、孤独なのですから。