雪が降る頃になると店仕舞い。
春まで、「麦の粒」のパン、大好きなパウンドケーキも食べれない。
もう一度、行かねば
思いたつのは、一週間ほど前の昼下がり。
11月に入り盛岡は、一気に寒くなり、並木も散り始めた。
いつもの様に昼下がりに向かった。タイヤに抜かりは無い。
ある人が、店を目指して行ってみたが辿り着けなかったらしい。
春子谷地の辺りから見る岩手山は圧倒な質量で眼前に迫る。その眺望に見とれていると通り過ぎてしまう。
「麦の粒」の看板は小さく目立たない
<くるみカンパーニュ>
岩手山麓の晩秋
近頃の寒さに、すでに落葉したとばっかり思っていたら、11月の上旬は、まだ盛りだった。
今年の紅葉は、特に鮮やかだ。
でも、今頃は丸裸かもしれない。
春子谷地の辺りからの岩手山に見とれてしまうと行き過ぎてしまう。
滝沢の分れから県道278号線を西へ。
左手に小さな看板がある。
カーブの途中なので注意が必要だ。
春子谷地別荘地に左折し、林に入って行く感じに坂を登る。
ほぼ、突き当りに不思議な佇まい。ここが「麦の粒」
辺りの黄色に目を奪われる。今年は、黄が素晴らしい。
オレンジのパウンドケーキ。
美味しい!
オレンジの風味としっとり感。食いしん爺は、食べ始めると止まらない。
あれ! ダメだよ! 2才になったルハン君。
でも、さすが食いしん爺の仲良し。いい香りを見逃さない。(笑)
地元の素材をふんだんに
朝4時から始まるパン作り。
南部小麦や、ゆきちからと地元の小麦と天然酵母を使う。
全てのパンに卵は使わないそうだ。
両親が無農薬で作る野菜を使い、調理パンやソースを作る。
しだいに、ファンは増えてきた。食いしん爺もその一人でドライブがてらに出かける。
今日は、ブルーベリーソースと、
ダブルベリーソースで食べる。美味しい。
アップルパイは、林檎の味を大切にしている感じで、これまた美味しい。
店の前の木のベンチに、一片の晩秋。
このパンを食べた人が、
「身体も心も、温まる感じがして美味しい。よほどパンが好きな人が思いを込めて、こねているんだろうなあ。」
と言う。食いしん爺は、深く頷いた。
ついこの間、店の前の木のテーブルでサンドイッチを食べては、時の流れを忘れた。もう冬はは、岩手山から降りて来る。
オーナーは、長い冬の間、いったい何をして過ごすのだろう。
雪か゜降り積もる前、もう一度、行かねば。