<大瀧詠一&竹内まりあ>

 

 

2週間ほど前、

mi cafeに行った。この季節は、何度も足を運ぶ。

大きく、紅色に育つ林檎。見る度、ワクワクして嬉しくなる。実のなる樹が好きなのだ。

なんでだろう?

子供の頃、庭に小さな建設業を営んでいた祖父が、大人の背丈ほどの梨の木を丘の中腹の家に持って来た。母の願いだった。その年の秋、次の年と待ち、ついに何年の後、幼い子供の握りこぶしほどの実がなったが、待望の小さな梨は、知らぬ間に鳥達の御馳走になった。

北へ引越すことになった時、母は、祖父に頼み込んだ。

2階に届く勢いの樹は、毎年、新しい家の庭の片隅で白い花を咲かせた。しかし、何処からともなく鳥たちがやって来ては、啄ばむ。毎年、かじってみたものの、酸っぱくて硬かった。

 

ミカフェでは、そんな事をよく想い出す。冬が来る前に何度も足を運ぶつもりだ。

その日、種林檎から作った宝石を見つけた。

こんなに綺麗な紅色になるとは、

 

 

久し振りに見たあけび

リンゴ園を回り込む様に坂を登る途中、店のサインに山女(あけび)が絡まっていた。

何年ぶりだろう。

子供の頃、これを、仲間の真似をしてガバッと口に入れ種を吐き出したが、それっきり食べはしなかったが、見つけるとワクワクした。あるブログに東北の実家の話で、あけびの調理方法が載っていた。そうなんだと関心。しかし、書き手もあまり好きではなかった様だ。(笑)

 

 

そろそろ、別れの頃

どこか力ない。でも、その分、紅い色が鮮やかに見えた。

 

 

たわわに実った林檎は、美味しそうだ。

 

 

 

可愛らしい小道具。なるほど、これで念入りに手入れをするわけだ。

 

 

 

林檎もトンボも花も、そして種りんごのジャムも晩秋のミカフェは、紅。

 

 

岩手山を望みながら、さて、何にしようか?

 

 

まずは、旬のりんごジュース。美味しい。

 

 

続いて、りんごがたっぷりのアップルパイ。晩秋のトッピングも紅く。

りんごを育み、素材の味を知り尽くした人のパイは美味しい。

 

 

 

ブルベリーのソースでチーズケーキ。

 

 

これが種林檎。宝石の正体

 

 

透き通った紅、魅惑の輝き!

 

 

この小さな種りんごが、オーナーの手にかかると、宝石に。

もし、宮沢賢治が今に生きていたら、mi cafeで岩手山を眺め、脚を組んで肘をつき、眼を細めて満足するに違いない。

 

 

美しい不思議なジャムは、濃く、心地よく甘酸っぱい。心惹かれる美味しさ。

 

 

 

 

このミ カフェの梨は、完熟で瑞々しく甘い。

「とうとう、実家の梨は、こんな風にはならなかったが、思い出は、ここで蘇る。」

と、食いしん爺の背中は、語る。