秋祭りシーズン開幕。盛岡を夕方に出て花巻祭りに向かった。
400年以上の歴史を誇る花巻祭りの期間は、上町商店街やその周辺は通行止めになり、お祭り広場に変わる。ちょうど山車パレード。
花巻祭りの神輿パレードは100基を超え川の様にうねりながら次々と続く。この神輿を担ぎに沢山の人が帰ってくる。
食いしん爺の楽しみは出店だ。びっしりと並ぶ出店を見て歩く。おそらく、県内では一番多く出ていて凄い混雑だ。
もう一つのお目当ては篝火の中の鹿踊(ししおどり)の群舞だ。篝火が灯り、太鼓を激しく叩きながら勇壮な鹿踊が登場する。この長い隊列が爺にはたまらない。なかなか、一同に会したところは見られない。
細いバチが切れ良く太鼓を叩く。跳ねる。長い角が地面を叩く。そして、それぞれ独自の踊りがある。篝火の中の鹿踊の背景にひと際大きな建物が目に入った。真っ暗なマルカンデパートだ。毎年、大食堂の灯りと上から見物する多くの人影が見えたものだ。
名物が消えてしまうのは淋しい。なんとか復活して欲しいものだ。
サラリーマンの一団の中で一人が熱心に説明している。数人は、初めての様だ。「これは一見の価値がある」「凄い迫力だ」と絶賛していた。勿論、片手にはビール。お祭りだ。
昼の鹿踊の連合大パレードは、各地から沢山の団体が来て上町の通りは鹿(しし)でいっぱいになる。これも圧巻だ。
普段は閑散としている街が、祭りの期間は、これでもかというほどの人だかりだ。毎日とは言わないが、せめて月に1、2度でもいいから賑わいがもどって欲しいものた゜。
色々と想いを巡らせていると、アナウンスがあり、なんと4才の踊り手がいるとのこと。辺りを見回すとすぐ見つかった。
多くのカメラマンが狙っていた。
ちゃんと太鼓を叩いているではないか!(笑)
観客の視線も一手に集める未来の名手。そういえば、ある舞台で見た花巻農業高校の鹿踊も素晴らしかったが担い手は女子が多いのには驚いた。
山車のパレード。昔は13メートルの高さの屋形山車を引き、東北屈指の山車として名声をはせた。今は、電線をかいくぐって風流山車に変わっている。この山車のお囃子は京都の祇園囃子の流れをくむ。
最近の出店は、変わってきた。美味しい肉系が多い。花巻近郊の豚や生ラムなどを串焼きにしている店が目立つ。
それにミニスカートで美人さんが売り子。当然1串買った。
爺には、お目当てがあった。ホテル花城の出店の焼きそばだ。これは美味しい! 珍しい焼きそばでチリソースに細い麺が上手く絡む。ペロリでした。
たいやきは「甘さ控えめ」「十勝小豆」の看板どおり美味しかった。
岩手の文化は、素晴らしいと思う。文化は、そもそも生活に根差したものだ。伝統芸能の研究家に聞いたことがある。
「岩手の伝統芸能は、盛んで数も多く神楽、鬼剣舞などの剣舞、そして様々な踊りとバリエーションが豊かで日本一と言ってもいいのです。」
ここに、郷土の底力があると思う。歴史的に何度も災害を被ったが見事に復興してきた。
負けないぞ岩手!