北上から30分位の奥羽山脈、夏油の麓にある「瀬見」温泉に行った。日頃の疲れを癒しに日帰り入浴。今年、3度目。

大露天風呂に向かう廊下で、あれ!

廊下の片隅に昭和。ストレスが蔓延していると目的に向かって歩くだけだ。全く気づかなかった。そこに昭和レトロの世界があった。

 

 

 

食い入るように見る。見る!日本プロレス。「元気ですか!」

 

 

懐かしすぎる。昭和後半のアイドル。

 

 

まるで、「とと姉ちゃん」の家電製品の実験に出てきそうなトースター、ミキサーが並んでる。

まあ、その頃よりも新しいかな?

 

 

昔の子供の必需品、「めんこ」を久し振りに見た。岩手県南の一関界隈ではパッタと県北ではベッタなどと呼ぶ。「めんこ」の名を知っているのは、どのあたりの世代までだろう?

だいぶ以前に、スポーツ飲料やお茶のペットボトルをプロデュースした人の講演があり、その後の懇親会で色々と話す機会があった。

「悲惨な戦争が間にあったり、昭和は激動の時代だ。文化の変容も凄まじい。だから、生きてきた人達はノスタルジーに浸る。これからテーマパークは行き詰まるかもしれないが昭和をモチーフとしたものは人気だろう。」と語った。そこで、盛岡駅西口の休閑地をレトロな異空間にすれば、駅も近く、注目されるだろうと盛り上がった。

「一歩足を踏み込むと昭和の路地の真っただ中。自動車は三輪でポストは真っ赤な円柱。美空ひばりの子供時代の歌声。カフェーには女給さんがいて食べるのは洋食。」夢のある話題に話が弾んだ。

 

それにしても、スキーのウェアや用具を見ていると、なんだか凄く昔に思えてしまう。

 

 

さて、昭和を引きずって風呂へ。珍しく空いている。鼻歌は勿論、ムード歌謡。(笑)

 

 

内湯から大露天風呂へ。ここは、美人の湯。肌がしっとりとする成分が含まれているとのこと。「すべすべ」とはこのこと。

 

 

露天風呂は広い。なんと混浴。真ん中に、ちょっと仕切りがある。

でも、孤独に浸る爺。

 

 

緑に囲まれ、気持ちいい。しかも大露天風呂を、滅多にない一人占めだ。

「う~ん」と「はぁ~」ばかり、幸せゆったり気分。

 

 

日頃から痛みのある膝や腰を温める。気分のいい感じが伝わりますか?

爺の全身「すべすべ」 美人の湯にあやかり、顔も浸かりたい。

 

 

 

玄関の鬼。北上と言えば「鬼剣舞」だ。岩手を代表する勇壮な伝統芸能の一つ。以前、小岩井農場で国際的な学会後のパーティがあり、北上から招いたことがある。篝火(かがりび)に映える幻想的で躍動感のある鬼剣舞。見た人の心を鷲掴みで拍手と歓声が夜空に響いた。爺も感動し、猛拍手しながら民俗芸能の宝庫岩手、あっぱれ!と思った。

 

 

帰りに北上の市街地によった。東北自動車道の北上江釣子インターから市街地に向かい、国道4号との交差点を更に東に。JRの跨線橋の手前「カケタ」で好物の唐揚げを買った。

「かけた」での注文は、1個がとにかく大きい。グラムとか重量の単位で頼むより、個数を言った方が早いし分かりやすい。

 

 

大きいが、味は濃密。外のパリパリがまたいい味。とても美味しい。

 

 

 

しっかり染み込んでいて、衣と鶏肉の一体感。爺の知る人は、殆どの人が、ぺろりと1個を平らげてしまう。

毎日の様に行列のできる店「カケタの唐揚げ」なのです。

 

 

美味しい1日だった。

「美人の湯」と「昭和レトロ」と「止まらないカケタの唐揚げ」で贅沢で幸福な1日も終わる。