例年の盛岡は、旧盆を過ぎれば、朝晩はコオロギが鳴く。ちょっと肌寒い頃なのに9月に入ったのに朝晩ですら蒸し暑い。
そんな中でバドミントンの試合に出た。
ここ2、3日、風邪気味で大事をとって薬を飲んでいた。前の日の晩に突然の下痢。止まらないままで寝付いたのは明け方だった。朝、恐る恐るパンを少しかじり、下痢止めを飲んで会場へ向かった。経験したことのない最悪のコンディション。
照明は、勿論、暗幕を張り、体育館は蒸し暑く少し動くと汗でユニフォームが重い。とにかく水分補給。試合中、脚が痙攣しそうになる。なんとか持ちこたえ、第3試合。フルセットにもつれる。ここが勝負どころ!しかし、声を出し、体を引っ張てみるが、さっぱり脚がでない。
全身から噴き出る汗と悔しさ。
オリンピック、パラリンピックでも体調管理に失敗してしまう選手もいるのだろう。国の代表ともなれば、簡単に言い訳もできない。食いしん爺は反省した。いつもと同じ戦いをしたから駄目だったのだ。状態に合わせて戦う事がまだできていない。爺は、「まだまだ」なのだ。
意外に早く回復の兆し。そうだ、9月になっても暑い。冷風麺だ!
やって来たのは、「珍萬」
まず、餃子。
こんがりとした表面と具の美味しいこと。見ただけで口の中に拡がるよだれ。
食べるぞ!
次は、春巻き。皮は、ホントにパリッと具も美味しい。自然に顔がほころぶ。
更に、海老ニラ饅頭! 珍萬に来るといつも食べている。
さて、本番。冷風麺。全体に、サッパリとして具と麺とスープの素敵な調和。美味しい。
これぞ、冷風麺。
爺は、じっくり美味しさを味わう。何もかも忘れる時間。
少し、楽しまなくては、と思うのだが箸は止まってくれない。
あれ、一緒に来た人の前に置かれたのは、なんだ?
冷やし担々麺! 美味しそうだ。ちょっと味見させてもらう。
見た目も綺麗だが、まろやかで美味しい。今度来た時のメニューは決まり。
さて、翌日は、「ざくろ」へ。特に食べ比べのつもりはなかった。
昔、珍萬は、盛岡市の紺屋町のざくろの場所にあった。2人のお父さんが、もともとここで中華料理店を営んでいた。菜園にある珍萬は弟、紺屋町のざくろは姉が店を開いている。盛岡食いしん爺は、どこか、味の基本的な部分は似ていると思うが、出来上がりが、全く違うものになっていると勝手に想っている。
さて、ざくろの冷風麺。
お好みでかけるラー油が、曲者。いつも、箸をつけると一気に食べ尽してしまう。
スープも超サッパリしている。ざくろも、スープと具と麺が良い感じなのだ。
爺は、いつも少し多めにかける魔法のラー油。
とにかく、空になるまで黙々と食べる。一緒の人には食事を楽しめない、つまらない人になってしまう。
そして餃子。
春巻き。根底の味に共通点があるが、違う。
2日続けて夏の名残を惜しむ様に美味しい冷風麺を食べたが、今夜も蒸し暑い。胃腸は元気になった。
姉と弟の店を回ったが、両方とも美味しかった。爺は、続けて冷風麺を食べれるほど、それぞれの味が好きだ。
おそらく2人は、お父さんの味で育ち、誇りに思っていて、それぞれが自分の味を追求してきたのだろう。爺の舌も、両親の味から始まっているのだろう。そして子供の頃から、岩手の県南から県北、そして県央と移り住んだ。色々な形で岩手の味が爺の舌に記憶されているのだと思う。
この2日間、冷風麺から餃子まで楽しみながら、色々と自分のことも少しだが振りかえることになろうとは思いもよらなかった。
さて、冷やし担々麺を食べに行かなくては、
次の試合は、絶対勝つぞ!
「美味しい」は元気になり、そして楽しいのだ。