盛岡駅に向かう道で、雨がポツリポツリと落ちてきた。
今日は6月13日の月曜日だけれど6月16日(木)は、和菓子の日だということをネットで知った。ちょっと前だけれど、お土産は和菓子にしようかなどと新幹線の中で考えていた。
あまり、東京に行く時は天気を気にしない。2時間半後には、東京駅の日本橋口で外を眺めていた。
雨は強く降り、ビル風が巻く。時々煙るほどだ。駅の中のコンビニでは、入口に傘を並べている。仕方なくビニール傘を買った。案の定、風であまり役に立たない。
日本橋で打合せをして新宿へ向かった。もうお昼になっていた。即ランチだ。日本料理店が混んでいたので、すぐ隣にあったタイ料理の店に入った。
なかなか美味しい。
特に、美味しかったのが、これだ。
あっさりしてコクがあり美味しいスープに、この麺が気に入った。
キャベツと豚肉のピリ辛炒め。
の美味しいこと。
「微笑みの国」のタイ料理なのに途中からみんな黙々と食べる。無口になってます。
ピリ辛にもう一つ「ピリ」がつく鳥そぼろの炒め物。
サッサッと食べて店を出て、紀伊国屋書店ビルに向かう。
サラリーマン・ランチの侘しさ。(笑) 店の名前も頼んだものの名前もうろ覚え・・・・
紀伊国屋ビルの裏側をちょっと歩いたビルと超アバウト。
でも、とても美味しかった。
その後、あちこち回り東京駅には夕方に着いた。
雨の日比谷公園。
いつもだと、霞が関が近く、いかにもという感じのサラリーマンやОLが憩いの時を過ごしているが、さすがに人影はまばらだ。
雨は、ひととき、ビル風に巻かれ煙る様に降った。
急がない人は、ちょっと様子を見ていた。これでは傘が役に立たない。
同行の一ちゃん達も立ち尽くす。
雨は、一日降っていたが夕方になって小降りになってきた。
東京に着いた時、ビル風にも巻かれ煙る様に雨を見ていたら、ふと「驟雨」を想い出した。吉行淳之介さんの小説だ。青春時代に読んだから、記憶の正確さは分からない。
たしか嫉妬しなくてもいい娼婦と体を重ねていくうちに身体に染みついた反応や動きに見えない男の影を感じ嫉妬する。そんな男の所有欲というさがみたいなものを当時は、共感はともかく分かったつもりでいた。
始まりは、人ごみの中を歩いて待ち合わせ場所に向かう。ラストのシーンは、中華料理を食べていて蟹の脚をバキバキっと折っているのだ。
東京の雨を見て思い出したことを懐かしみながら新幹線のホームに立っていた。
東北新幹線の向かいに北陸新幹線の「かがやき」だろうか。金沢で輝いていた人は元気だろうか?
嫉妬について今、自分が思うのは、今になると異性間の嫉妬より同性間のそれの方が陰湿で厭らしいし余りにも愚かしいと思う。一番人間らしい感情かもしれないが、大変な事件を引き起こすこともある。やっかいなものだ。
そうだ、蝋燭の火は消える前にボォッと燃え上がる。食いしん爺は、思い切り異性間のジェラシーを楽しもう。
なんてね。(笑)
東北新幹線は、長い間の人々のドラマを運んできた。北陸新幹線も乗せるのは夢だけじゃない。これから金沢の蟹をバキバキと折ることになる人も運んで行くのかもしれない。
あの、イチロー選手ですらピート・ローズの記録を抜いて日本もアメリカでも、その偉大さにフィバーの真っ最中なのに、
「僕は、子供の頃から、ずーっと笑われてきた。大リーグに行って首位打者を取ると言った時も笑われた。でも、2度とりましたからね」
と話していた。
偉大な記録を達成したというのに彼の中に、そんな想いがあったとは。笑う人達の心に潜むジェラシーがそうさせるのか・・・