帰省の人を乗せて盛岡の街をドライブ。
案内してみると、けっこう街の様子があちこち変わっていることに気づく。
中津川の東、河南の盛岡バスセンターの向かいに高層のマンションが建ち昭和と現代
が向き合っている。
高松の池を一周すると旧競馬場の跡地は生まれ変わり、広場ができて公園を整備し
ている最中だ。道路は、すでに北側の緑が丘に接続され、広々としている。
南は、雫石川に架かる盛南大橋を渡り、ずっと一直線に道路は続く。中央卸売市場や
盛岡南インターにまで繋がっている。
「久し振りに見ると、ずいぶん盛岡も変わってるなあ~。なんだか都会的に見える。で
もやっぱり、中津川を渡って行くと大正、昭和のレトロな感じが溢れてて、なんか落ち着く
なあ~」
街を円を描くように周り、盛岡駅に向かう。
南口には高層のマンションが立ち並んでいる。西口にも建物が何棟も建っている。新
幹線からの光景も変わったものだ。
まだ、時間があるのでご飯にする。昭和の時代から盛岡駅の真向いで営業している
「すし源」を〆の場所にした。店には、古い盛岡駅の写真があった。それこそ、東北新幹
線が開通し盛岡はターミナルとして賑わいだした頃だ。
親方は、
「いやあ、今は、昔と違って大変だよ。回転鮨の時代だもの。まあ、なんとかやってるけ
どねー」
と笑う。
昭和の盛岡駅と開運橋の写真。
はじめに、海老の塩焼きを頼んだ。
そして、爺のペースでオーダー。
エンガワ、穴子、イカそして小肌。
親方の仕事は、綺麗だ!
美味しそうだ!
昔は、この2階で宴会をしたものだ。
江戸前。素材を大切にしながらも。ひと手間、丁寧にかけては「旨さ」を引き出す。
食いしん爺と名のっているものの光り物は、あまり食べない。
しかし、「すし源」の小肌は必ずといっていいほど握ってもらう。
美味しい!
「赤出汁は、盛岡界隈では、うちぐらいかな~」
親方は、「汁」にもこだわっている。
今日は、じゅんさい。
バクライとたこ。一気に平らげる。
モズクの美味しいこと。
「やっぱり、店の雰囲気は主人の雰囲気。盛岡には、美味しく食べてみんなで愉しく
なれる。そんな感じの店が多いような気がするなあ。盛岡へ帰って来ようかなあ~」
それが今日の感想らしい。
なかなか、そうはいかないだろうが、確かに、いい街、美味しい街なのかもしれない。
「美味しいは、楽しい」なのです。
思えば、爺も色々な人とここに来た。
年に一度か二度会う古い友人達との待ち合わせ場所でもある。
久々にウニとご対面。
さあ、〆は巻物。干ぴょう巻は外せない。
「干ぴょうはね、難しいんだよね~ 2時間以上も煮込んだり手間がかかる。多分、
なかなか儲けがでてないと思う。(笑) でも、基本だから。手を抜けないね~」
さて、美味しい巻物であがり。
トイレにある、絵。
店に行ったら、この絵の話を親方に聞いてみて下さい。
やたら派手な暖簾。(笑)
海のもの山のものを育み、素材の味を大切に料理する人がいる。そして食べる人が
いる。食文化は、生きるためにも最も大切なのだと今さらながら、案内してそう思わさ
れた一日だった。
盛岡の駅前も昭和の時代から変貌した。
新幹線は、函館まで行く時代だ。
帰省した人にとって、「美味しい街」「楽しい街」であり続けたいものだなあ~
もし、盛岡出身の人が一斉に帰ってきたら100万人都市になるのだろうか?(笑)