楽しかった日帰り盛りだくさんの旅から帰り、なんとなく東京と盛岡のことを考えていた。

   そんな矢先、なんと銀座「空也のもなか」が届いた。

   早速、開けてみた。

 

 

 

 

    手触りがいい。

    すべっとして赤ちゃんの肌の様だ。

 

 

     とっておきの美味しい物は、丁寧に準備をする。

     お茶は、抹茶に。

 

 

 

    磁器と空也のもなかは、これが、また合う。

    良いものが並ぶと、部屋がしっとりと落ち着いてみえるから不思議だ。

 

 

      盛岡にいて空也のもなかを味わう。美味しい。この皮と餡の一体感。

      そして、柔らかいお湯でたてた抹茶。

      

      やはり、こういう時は南部鉄瓶に限る。

 

 

    ルハン君も興味がある様だ。

 

 

    盛岡・岩手が誇る南部鉄器。

 

 

     美しい霰。

 

 

 

 

 

     蓋の持ち手は蕾の南部鉄瓶。

     近年は、ヨーロッパでも紅茶を南部鉄器で入れる人達も多いと聞く。

     カラフルな色の鉄器は、使うほどに色が剥げ落ち下地の黒が浮かび上がる。

     その新たな模様が良いのだそうだ。

     パリの人々に鉄瓶の色落ちの楽しみ方を教えられるとは。

     

     銀座のお菓子を盛岡で味わう。

     南部鉄瓶で沸かしたお湯で抹茶をたてる。

     盛岡から東京日帰りでグルメを堪能し、今は自分の部屋で味わう。

     ちょっと大げさに言いいたくなる。今、このテーブルの上で東京を盛岡の流儀で食べ

    ている。

     そう、食いしん爺は、勝手に納得して喜んでいる。(笑)     

 

     本当に南部鉄瓶は、美しい。

     この良さも子供の頃には何も分からなかった。

 

 

     2個目を口に運ぶ。

     抹茶もお代わり。

     あまり最中はすきではなかった。子供の頃、口に入れるとなんだか皮の細かく砕けた

    ものが唇の周りにへばりつく様な感じがして目の前にあっても手が出なかった。

     ある人に勧められて空也のもなかを食べる機会があり、驚いた。続けざまに食べた。

     サクッとした皮に包まれた餡子が美味しかった。

     

 

 

   

    東京は、もう夏だった。

    盛岡に帰って来ると2、3日雨模様だったが、ここ一週間は、何やら夏の様な気温が続 

   いている。

    数年前までは、春になると雪の下でじっと待っていたこぶしなど白が咲きだし、続いて 

   梅、桜。そして菜の花や山吹の黄色などと色とりどりの花が咲いていくのだが、今年の

   春は、あっという間にパステルカラーの世界になった。やはり、地球温暖化の影響なの

   だろうか?

     

 

 

 

 

 

 

 

    先日、もう一つ嬉しい頂き物があった。

    有難いことに、いつも春や秋の季節を届けてくれる人がいる。

    この間は、シドケを持ってきてくれた。近所に分けなくてはならないほどだ。

 

    いい香りだ。

    持ってきてくれる人が、

    「近頃は、昔と違ってキノコも山菜も時期の見極めが難しくなってきた」

    と話していたとのこと。

    東京では、熱帯雨林に降るような雨やアスファルトが焦げ付く様な体温を超える暑さに

   異常さを感じるのだろう。

    それが、盛岡では花や山菜など自然から感じられる。静かだが、かえって恐ろしい様

   な気もする。

 

    でも、色々思っていてもシドケを前にすると忘れてしまいそうなる。

 

 

 

    山の春のシドケ。

    美味しい。山菜とキノコは大好物なのだ。

    

 

 

 

 

    それから、もう一つ。

    盛岡辺りの樹々は、生命力に溢れ春からの勢いが凄い。

    日に日に若葉は、広がり、すぐにうっそうと繁る。

    東京の緑と違うと思うのは、穏やかで初々しい若葉が一気に濃い緑になる。

    その緑が爆発する様なエネルギーに満ち満ちた緑なのだと思う。葉が茂る夜の森は、

   恐いと思う時もある。

    

    盛岡の街路樹は、雨を吸い込み、すでにうっそうとしている。

 

 

 

 

 

 

 

     今日は、盛岡八幡宮の近くに来たのでお参り。

     なんだか、いつもと違って柄にもなく、大きなことをお願いしそうだ。(笑)   

 

 

   

   

   今回の東京日帰りのグルメの旅では、何故か色々と思うことが沢山あった。

   不思議な街、東京に行くたびに、ますます盛岡を感じて好きになる。

 

   盛岡に帰り八幡界隈には、南部鉄器の老舗やわんこ蕎麦屋さんがあり、大正、昭和の

  雰囲気の漂う街で、あらためて盛岡を感じてみることにする。

   さて「食いしん爺」まず、蕎麦からにしよう。