4月下旬のある日、意を決して早起き。
始発の新幹線で東京へ。
早朝の盛岡の旭橋からの風景。
まだ、首の辺りが寒い。ピリリ。目が覚めた。
4月に盛岡から東京に向かう時に苦労するのは、着る物。
こちらは、まだ、寒さが残ってるが東京は、下手をすると夏。
今日は、上野で降りた。東京は上野界隈でグルメを探す。早起きした分、長く東京を
愉しめる。(笑)
まだ、9時半頃なのに陽射しが盛岡のそれとはかなり違う。
いやな予感。
実は、長袖を2枚着たまま上野で降りた。
「カフェ 王城」を目指す。
「丘」「古城」と併せて上野の三大純喫茶といわれているらしい。
一見して「スナック」かとも思わせる看板や外観だが、中に入るとクラッシックな
喫茶店という感じだ。
私は、喫茶店やレストランの床をよく見る。とても落ち着く雰囲気だ。
昭和レトロの雰囲気の中で「モーニングサービス」を頼んだ。
王城。なるほど。ピカピカの黄金でできているみたいだ。
モーニングを最後に食べたのが、いつだったか?
まったく思い出せない。
「カフェ 王城のモーニングサービス」
このトーストは、丁度よい焼き加減で美味しい。
ゆで卵も、美味しいなあ~。
「朝の元気は食事から」
誰かの口癖が頭にこびりついている。でも、あまり食べない。
それはつまり、くだらない自分の抵抗。(笑)
モーニングで元気が出た。
さあ、後は、歩く。ひたすら歩く。
上野、不忍の池の辺りに来た。
高層ビルと青葉。
東京らしい風景。どうして大都会なのに、こんなに緑が目に付くのだろう・・・・・
やはり陽が高くなるにつれ、上着を脱いでも暑い。
長袖のシャツに、中のアンダーウェアも長袖。
ゆっくり歩いている人に写メを頼んだ。
スラリとした長身。白いTシャツが眩しい。
「正面の写メは、いいんですか?」キュートな笑顔で聞く。
「いいんです」
本当は、背中だけで十分。
御礼を言って歩く。
スマホでみたら気温が26度。あの風通しのいい百葉箱の中で26度。
ということは太陽の下では30度近いのでは・・・・・暑い。
上野仲町通。
夜は、賑わうのだろう。
酒悦に入ってみる。
「元祖福神漬け」を買う。
当然、盛岡に帰ったらカレーに添えて食べるのだ。
下町風情がいい。
東京は、やはり不思議な街だ。
400年前の日常と超現代の光景が同居している。
それでいて私は、違和感を感じない。
金魚が、ゆっくりと尾ひれを振る。見ていてちょっと涼し気。
あちこちで半袖姿の外国人とすれ違う。顎のあたりの汗を拭く。
長袖を二枚着ているとは、誰も思わないだろう。(笑)
暑さにもめげず、湯島まで足をのばした。
よく言われることだが地方都市に住んでいると意識しないと歩かない。
大都会の人は、みんな健脚だ。
女性たちのヒールの脚も良く伸びて颯爽と風を切る。
可愛いランドセルのお守りがあった。
買いました。
可愛らしい巫女さんが理由ではありません。(笑)
でも、学業に専念している人にあげるわけではない。あげる対象が特に思い
つかない。
でも、頑張っている人や世話になっている人にあげよう。
絶対に「わぁ~」と言うでしょう。
藤棚は、もう綺麗な紫が始まっていた。
さて、歩き回っていよいよランチの時間。
今日は、鰻と決めていた。
上野の「伊豆榮本店」へ。久し振りの鰻だ。
待つのも楽しい。が、しかし胃が騒ぐ。
来ましたね !!!
柔らか~い。
傍に置かれた山椒の瓶を振るのも忘れ、ガツガツ食べていた。
どうだ、と言わんばかりの迫力。
ならば、ガツガツ食うぞ。盛岡の食いしん爺だ。
途中で山椒をかけるといい香り。また、ガツガツ。
久し振りなのが、ますます食欲をそそる。
やわらかく、身崩れせず箸にかかり、とっても美味しい。
多分、私は、薄ら笑いを浮かべていたかも・・・・・(笑) いいんです、美味しい。
不忍の池から見た本店。
学生時代の4年間、東京に居て新宿界隈を歩き回り、疲れると喫茶店。
飲んで終電に遅れると「深夜喫茶」で煙草を吸いながら話したり眠ったり。
始発の時間には、やたら元気のいい曲が店の中に流れたものだ。
そんなことを思い出しながら新幹線に乗り込んだ。
昔、特急「やまびこ」で岩手まで6時間はかかった。今は、2時間とちょっと。
日帰りで用事が済めば。十分「ぶらり」とできる。
メールで資料をやり取りする時代になり、急ぎの連絡は携帯。データはパソコンが
蓄積し、いつでも開ける。
仕事で一泊は当然だった東京が日帰り。仕事は早くなり、楽になるはずだったの
では? ますます忙しい世の中だ。
どうしてだろう?
乗り込むとビジネスマン達は、パソコンを開いている。
食いしん爺は、美味しい駅弁を食べるのだ。
再来週も東京に来る用事がある。
では、再びたべようかと、車中でもくろんでいる。