彼女に手を振り見送ると爺は、一人でもう一度「甘酒横丁」を歩いた。
一人になって歩くと、静かな眼で見ている自分に気づく。肩を並べるも良し、また、
勝手気ままに歩くも良し。(カラ元気?)
歩いていると「おひとつからどうぞ」の張り紙が目立つ。粋なキャッチコピーだ。
これは、盛岡でも参考になるかもしれない。だんだんと、そういう視点になってきた。
人形町「甘酒横丁」で盛岡の食いしん爺は、しっかり「和のグルメ」を見極めるぞ!
ところで「グルメ」とはどういう意味なのだろう?
「食通」「美食家」だとすれば、爺は、違うなあ~(笑)
なにかに、
「グルメとは、食の専門家的な人のことで、ワインでいうと「ソムリエ」がそうだ」と書いてあった。
爺は、普通の舌だから。
まあ、気にしないで参ります。
ウィンドウの「おひとつからどうぞ」と「白玉豆大福」に吸い寄せられるように店の中に入った。
「ひとつからでも、いいんですか?」
とたずねてみた。
「はい、もちろんです」
「では、とりあえず一個」
「こしあんとつぶあんがありますが?」
爺は、迷わず、
「つぶあんで!と答えながら目にとまった。春がある。
「これは季節限定なんですね・・・一つください」
「ありがとうございます」
無機質じゃない笑顔だなあ。いいね。
「銀座 あけぼの 浜町店」です。
「白玉豆大福」のかたわらにさりげなく置いてあった、「季節限定」と書いてある。
ついついやられてしまいました。それは「桜餅」です。
旨い!
これぞ、「甘酒横丁和のグルメ!」
「こしあん」と「つぶあん」があるのです。
爺は、「つぶあん」大好きなのです。
白玉大福のそばにあつた「桜餅」に、気がつくと手を伸ばしていました。
手に取ると「ぷう~ん」と期待どおりの桜の香りに包まれる。
「もちどら」まで買っちゃいました。
これもつぶあんと、もちもちの皮との絶妙コラボ。
とうとう「あけぼの」さんの虜になってしまいました。
「甘酒横丁」にピッタリの「和のグルメ」ですね~
もう一つ、春を見つけてしまいました。
さて、もう一度、気になっていた夏みかんの樹を見に。
「う~ん」あっぱれ!
江戸風情と彼女は言っていたが、確かに「甘酒横丁」は楽しい。今日の思い出は、
この夏みかんのように酸っぱいか、和菓子のように甘かったのか? ちょっとまだ、
何かを引きずっている情けない爺です。
しかし、本当にビックリです。堂々と沢山の果実が車道にせり出してます。
桜は、一人で見ても綺麗だなあ~
次に目にとまった「甘酒横丁和のグルメ」は、「菓寮 花小路」さん。「焼きかりんとう」です。
油で揚げていないかりんとうなのです。
「なになに、ユーミンもお気に入り? へぇ~そうなんですか?」
「はい、雑誌に、大好きだと書いていただいたのです」
「油で揚げないで、ほどよく焦がした専用の特製黒蜜が香ばしいんです」
と言って一個、食べさせてくれた。
当然買いました。
サクサク感が心地良い、美味しいかりんとうです。
「甘酒横丁」の散策も、とりあえず終了。
盛岡で血糖値の定期検査が待っています。
「和のグルメ」は、充分すぎるほど堪能しました。検査が恐いなあ~
そうだ。東京を歩いてみるか!
今さらながら、血糖値対策。歩け歩け。
お土産も買って行こう!
誰にということもないが・・・
日本橋人形町の二丁目にある「ミヤギ」さんに向かった。
実は、ここも彼女に教えてもらったところです。
「お土産は買うの? だったら、小物が沢山あるから覗いてみて」と言われました。
「ミヤギ」人形町本館へ
あらら、粋で可愛いものばかりが並んでます。
この「和ごむ」は、なかなかよく考えたものだ。
ご覧のとおりです。
送別会のシーズンだ。「ひとことはんかち」を何枚が買いました。
お別れの贈り物には、粋で重々しくないものの方がいいだろう。
人形町から、地下鉄には乗ったものの、まだ時間があるので銀座界隈を歩いた。
相変わらず昔とは違った賑わいだ。
ずんずん歩く。新橋まで来た。どうせなら汐留まで歩いてみることにした。
汐留に入ると、一気に大都会「東京」の顔になる。
そびえ建つ高層ビル群を見ると、爺は、美しいと思ってしまう。
そして、人形町のような「江戸風情」との対比に、また、これも東京と思う。
人形町と一変してしまう光景。
高層ビルの谷間に咲いていた「一輪」が爺の眼に、やたら際立って映るのです。
さて、そろそろ、帰らなければ。
東京駅まで戻って行きます。勿論、徒歩。久し振りに、脚が疲れています。(笑)
盛岡の生活より、東京では歩かなければならない。何せ、東京駅だけでもかなりの歩数になる。
食べるために歩く努力。「食いしん爺」は、頑張っているのです。
さて、帰りの楽しみは、八重洲「大丸デパート」の地下街で買うお弁当です。
たいてい、メインの弁当と惣菜を探します。
はい!決定。
「すき焼き弁当」と「若竹煮」
新幹線に乗り込んで隣の席が空いていたので大宮まで待った。
やはり、乗り込んできました。さあ、広げて、ゆっくりご飯です。
美味しい。すき焼き弁当と若竹煮とお茶を広げて幸せな帰り道。
隣の女性の視線が時折、弁当とタケノコに・・・新幹線でも美味しく。とても楽しくなります。
しかし、考えてみると、
「水天宮と明治座」そして「甘酒横丁」の組み合わせで人形町が賑わっている。
盛岡でも「八幡宮」と開場102年を誇る「盛岡劇場」と八幡界隈。
これからの盛岡の古い街並みを活かした「まちづくり」の参考になるかもしれない。
ただ、この街は「和」のグルメを色々と楽しめる店が沢山連なっている。
食は、人が集うためには、必然なのですね~
帰りの新幹線の2時間ちょっとの間、色々と考えをめぐらす爺でした。
東京に足を伸ばして昼からでも充分楽しめたということは、日帰りで東京から盛岡に来ても
タップリ楽しめるということだ。
東京~函館への4時間は長い。
食いしん爺は「ちょっと寄り道・盛岡」として魅力的な街をもっと探し歩き紹介します。
あ~、今日は、とてもいい1日だった。