先週のある日、東京での仕事が予定より早く終わった。今日は、そもそも、ランチの約束を


  していたのだ。


   仕事関係の知り合いだが、付き合いは長い。久し振りに会うのです。東京駅界隈から来るので


  爺が、前から気になっていた「人形町」でおち会うことにしていた。


   まだ、早いが、人形町に向かった。


   人形町と言ったら、まずは、「甘酒横丁」で「和」のスゥイーツ探しです。ありましたね、鯛焼き!


   まだ、お昼前なのに、もう並び始めている。1個買って、店先で、食べようとして二つにパックリと


  割って喜んだのもつかのま。


   「あれれ、これでは、両手が塞がって写メが撮れない」




   「撮ってあげましょうか?」


   「えっ」


   振り向くとすぐ後ろに背の高い八頭身美人が立っている。


   「なんだ、来てましたか?」


   「背の高い人が、鯛焼きを二つに割っちゃって呆然とした顔つきしていましたから、笑いました。


  だって写メ撮りたいって顔が、ありありですよ!」


   と言って笑う。


   鯛焼きを先に買っておこうと思って早めに来たらしい。




   爺は、やたら背が高いのだが、その女性もヒールを履いていることもあって鼻先辺りに頭が届く


  のです。春の香りがする。170センチぐらいはあります。


    













      結局二つに割った鯛焼きを持ってもらい撮影終了。そして、行儀悪く店先でいい大人で


    背の高い男女が、立ち食い。(笑)


      こんな事が自然にできるのも、東京だからでしょうか? 


      一人で写メを取る人は、一匹を丸ごと看板を背景に撮ったりして苦労します。




      それにしても、人との「つきあい」は、何かをしてもらったり、してあげることがすんなりと行く


     場合があります。桃井かおりさんが、テレビで話していた「馴染む」という話を思い出した。


      「好きとか嫌い」とかの前に、「馴染む」という感覚があるという。


      爺も、とてもよ~く分かります。


      


      その、馴染む人と今年初めて会い人形町で「ランチ」をゆっくりするので年甲斐もなくワクワク。


      「じゃあ、横丁を歩きますか?」


      「はあ~い」


      と素直な返事。


      馴染むなあ~(爺一人がご満悦なのです)





  









    


      この鯛焼き屋さんは、昼頃過ぎには、長蛇の列。


      老若男女入り乱れて、一個買う人から沢山抱えて行く人と、それぞれです。




   







    

       皮のパリパリと「あんこ」のしっとり感が最高です。





    







 


   人形町に来たからには、まずは、水天宮さんにお参りして明治座をちょっと眺める。




   ところが、なんと、水天宮さんは、改修中で「仮の遷座」場所が、通りを挟んで明治座の傍らに


  ありました。


   


 










 


   水天宮は、改修中でした。




  


 









   水天宮から引き返し、甘酒横丁の入口の向かいまで来て「珈琲タイム」です。


   「喫茶去 快生軒」大正8年の創業です。


 






















 


    2人とも珈琲好きです。


    もともと今日の待ち合わせ場所でした。


    予定より早く会えてラッキーでした。水天宮さんに感謝。(あそこは子宝の神様でした) 


 












          扉の中は、昭和そのままの空気が漂っていました。


          創業した方は、なんと岩手! 一関出身だと彼女が教えてくれました。


          普段だと、色々とマスターから話を聞くはずなのですが、爺の腰が重い。何故?


          





























      


   「お昼は、決めてました?」


   「いいえ」と爺。


   「じゃあ、探しておいた店に行きますか? 古い洋食屋さんですが、いいですか?」


   「はい、いいですよ」


     


   連れて行かれたのが、ここです。


   「小春軒」今日の東京にピッタリ!


   明治45年に開業した「西洋料理店」 この店の名前の付け方が、いい!


   小島と言う人が修行して結婚を機に開業「はる」と言う奥さんをめとった。だから「小春軒」と


  御夫婦の名前からつけたのです。


   


       

  





   






   明治葬儀用の老舗、西洋料理店。


   「気どらず美味しく」のモットーを明治、大正、昭和そして平成と下町の味を守り続け、今や


  話題の「人形町 下町グルメ」の一つで賑わっています。




  







   


   店に入ると、


   「あ~、お二人さんね、そこでお願いね」と声がかかる。テキパキと相席に指示される。次々と


  お客さんがやって来て満席状態は続く。




   違うものを頼んで写メを撮ろうと考えた。


   「写メ撮ってても、いいですか?」  


   「はあ~い、どうぞ、いくらでも撮っちゃって!」


   まず、彼女に了解を取るつもりが、先に店の方に了解をいただいた。(笑)




   彼女は事前に調べておいたという「カツ丼」を頼み爺は、トンカツ、メンチ、エビフライなど色々と


  ミックスされているものを頼んだ。2つとも看板メニューの様だ。      







   「えっ、これがカツ丼?」

  








    


     「そうなんです。ちょっと変わっている感じだったのでカツ丼にしてみたの」



















      なるほど、見た目は、さしずめ「目玉焼きどんぶり?」


      


      向かいの席で眼を細めて幸せそうに食べています。


      「少し、いかがですか?」と言われたら嬉しいなあ~と思っていた。




      やっぱり、想定どおり。ご飯の盛がよかったので一口、二口、いやいや、もっといただきました。


      卵の黄身がトロ~リとして美味しい!


  











    イカから串焼きから様々なミックスなのです。


    一つ一つをじっくり噛みしめ美味しくいただきました。


    カツ丼も食べたので、満腹。




  









    一つ一つ丁寧に仕事されたものが、ミックスされてるのでとても美味しくて楽しい。





   









    カツ丼もいただき、お腹も心も満腹です。人形町、イイね! 


     


    そもそも江戸時代は、日本橋が江戸の中心で、その中でもど真ん中だった人形町。一人も


   好きだが、二人で肩を並べて歩くと辺りが、とびきり新鮮に見えてくる。(笑)







    モクレンがビルを背景にしても凛として咲いている。      


    「しかし、東京でモクレンが咲いてたり、本当に東京は、不思議な大都会ですね~」


    「そうですね、江戸風情とでも言うのでしょうか? 早咲きの品種の桜が、ちょっとした道端に


   咲いてたりして」


    「それは、河津桜かな? 早咲きだったらね」


    と爺は、つい得意げに語るのです。


    「そうなんですか、河津桜というんですね~」















    










     甘酒横丁に突然「夏みかん」の大きな樹!


     実が鈴なり。立派な樹で、ビックリです。ちょっとした感動です。







    









               ビルの2階の窓を軽く越えていました。


                            














      人形焼きの店でアツアツの人形焼きを二個とお土産分を買いました。


      一個は、彼女に・・・・


      「ふぅ~アツアツで美味しい!」


      続いて爺も、


      「旨い!」


      


      お土産でもらう人形焼きと、なんか違うのだ。外はいい具合にパリっとして中がフワフワで


     あんこがアツアツで旨いのだ。





       










     職人さんも粋なのです。


     カッコイイのです。




   









    

    







     あちこちのお菓子屋さんには、必ずといっていいほど


     「お一つでもお売りします」と張り紙が貼られています。


 


    





  


     


     また、甘酒横丁を探索。


     人形町駄菓子バーがあって、またビックリ。




  









     あの、舌切り雀の「つづら」の専門店があったり、爺は、ウキウキしてしまうのを


   抑えきれないのです。










  




    しかし、 「つづらやさん」の前で彼女が戻る時間となり、お別れです。


    楽しい時間は、早く過ぎます。(笑)


    爺は、人形町の甘酒通りで、まだ、満腹感と充実感に包まれながら、振りかえる彼女に


   手を振りました。


    


    でも、どういうのかなあ~、爺は、盛岡にも似た空気を感じていた。


    それと一人で歩くと、また、見える光景が変わってくる。


    

    人形町「甘酒横丁」 後編に続きます。