度華年　全40話

度華年は、日本語にすると華やかな時を過ごすでしょうか。

原作は、《長公主》という小説です。

物語は原作名から分かるように長公主と二人の男の愛憎劇を中心に次代の帝位をめぐる争いを描きます。

物語は、ライトノベルで言うタイムリープものですね。

死んだのに気が付くと、以前の記憶を持ったまま、時間が昔のある時点に戻り、二度目人生を歩みだします。

一度目の記憶を元にバッドエンド回避を図るものです。

タイムリープものとして珍しいのは帰ってきたのが一人だけではなく、それも対立していたものが帰って来ているという展開です。

物語の世界

このドラマは、今世（タイムリープ後）がメインですが、前世（タイムリープ前）が回想という感じで話の彼方此方にバラバラで出てくるため、前世の状況がすぐ飛んでしまいがちです。

前世での関係

李氏　　　皇帝家。皇位を継承していますが、実態は世家の傀儡。

　　　　　皇帝李川　　傀儡からの脱却を目指す

　　　　　長公主李蓉　世家との繋がりで権力維持を目指す

世家　　　政治権力を独占しているキングメーカー

　　　　　3代連続して、皇后出している上官家、蘇家、謝家、楊家など

寒門　　　政治権力のバックボーンの無い単独では弱小勢力

　　　　　裴家、秦家、蕭家など

次期皇帝候補

皇帝　　　貴妃秦真真の息子李平、大皇子

世家　　　皇后上官雅の息子李信、すでに太子を支持

寒門　　　皇帝を支持

主人公たち

前世の内容を書きます

李蓉（趙今麥）

李蓉は、前世では大夏監國長公主、今世では平楽公主です。

李蓉と駙馬裴文宣の関係は、結婚当初は仲が睦まじかった。

裴文宣の元婚約者であり太子の側室として宮中に入った秦真真を助けたことから、李蓉のプライドに傷をつけた。

特に彼女に何も言わずに行ったことが、彼女の気に入らなかった。

離婚はせず権力の為、盟友として別々の道を歩む。相手を殺さないなら特にそれぞれの生活に関与しない、と言いながらも会えば喧嘩ばかりしている。

裴文宣は、長公主の駙馬（皇女の夫）として長公主の名前が使える。

李蓉は、元は公主ですが弟の李川が皇帝になって以降は、長公主となり裴文宣などいなくても権力は手に入ると思うのです。

では何故離婚しない。。。

李蓉と裴文宣の関係を回想として描かれるシーンと今世で前世を語る李蓉は、秦真真に関する時に違うことを言っているようにも思います、一体どうなの貴方。。。

その後蘇家が皇帝李川により、一族を滅ぼされた時に李蓉が皇帝に蘇家を助けてほしと求めた。これにより蘇容卿の命は助かったが、宮刑に処される。

これ以降、蘇容卿は長公主の客卿（側近、寵臣）として長公主府に住んでえいる。

李蓉は前世では結婚後20年で死んでいますので40歳手前まで生きています。帰って来た時は、結婚前で18歳、時に前世の40年生きた成熟、老獪さを、時に現世の18歳の初々しさを演じないといけないわけですが、それを趙今麥に求めるのは無理があります。

其れでは20代前半の役者で誰にできるかと言えば、名前は出てきません。そこは目を瞑りましょう。

裴文宣（張淩赫）

裴文宣は、前世では丞相、今世では八品の何処にでも転がっている官吏。

前世でも秦真真と婚約していたが、解消される。

婚約していた時は、周りから将来の妻だから彼女に良くしなさいと言われて続けて、彼女が好きだと自身で誤解してしまっていた、この状態は婚約解消されても李蓉に出会うまでは続いた。

李蓉に出会ってからは、彼女だけが好きと気づき、秦真真は好きでも何でもなかった。

表には出さなくても李蓉の為なら、命も投げ出す覚悟です。

また、李蓉が蘇容卿を助けて、彼女の客卿として公主府に住んでいること自体が気に入らない。

特に李蓉が何でも彼女の判断で良かれと思ってやることが、裴文宣にとっては何か息苦しく感じられていたのかもしれない。

彼は李蓉の独断専行型の行いが、受け入れられず、別居する事になる。

しかし彼にとっては別居後も李蓉が好きなことには変わりが無かった様に思われます。

前世を演じる時、特に丞相として演じる時に付け髭をしていますが、これが様になっていない。

全く壮年期の丞相には見えない。

蘇容卿（陳鶴一）

蘇容卿は前世では長公主の客卿、今世では早くから朝廷に入り刑部右侍郎です。

蘇容卿が長公主と関わり合いを持つのは、皇帝李川に蘇家が滅ぼされかけた時に、長公主に助けられた時からです。

その後、長公主の客卿として長公主府にて側近兼心の愛人（宮刑を受けたので肉体的には無理）、心を許せるような人として共に生きる。

長公主は、李川や裴文宣に対しては、良かれと思って自身の意見を押し付けるタイプですが、蘇容卿に対してはこの様な場面はありません。

長公主は蘇容卿が本当に好きだったのですかね。

李平（蔡洛丞）

前世では皇帝、今世ではまだ太子。

前世では太子でしたが廃嫡されます、その後裴文宣が世家を説得して兵を出させて皇帝に対して反乱を起こし、李川は皇帝に押し上げられます。

李川が皇帝になると北方から戦いの知らせが入り、裴文宣、秦臨、李川のみが主戦、その他は和平を望んだ。

李川と裴文宣は秦臨の為に彼方此方執成し、金を集めてい開戦を強行した。

開戦後間違いだと気付く、理論も間違い、実戦経験もない、集めた金では戦線を維持できなかった、其れで休戦。

南方の災害救済に回り、悲惨な状況みて裴文宣が南方救済の計画を立てているなか、李川は制度改革の準備を始めた。

科挙をして唯一の官吏になれる道とした、世家に向かって戦争税を課し、土地と小作の数を制限した、制度を制定。

また、吏部が官吏の昇進時、点数に基づき昇進させた。点数は世家出身は -10点、寒門出身 +10点、やり方が急ぎすたため、多くの世家が言う事を聞かなくなった。

長公主は李川を子供のように扱い、皇帝自身が無能と感じた恥辱感が彼を苛んだ。

秦真真の死後、李川の世家に対する最後の寛容が無くなった。寵愛した妃の死は、始めて明確に自身の無力を意識させた。彼は迫られて狂った。

秦真真の遺体の前で嘆く李川に、長公主が共に帰れと迫る。臣下が待っている、貴方の決断を待っている、多くの決裁が待っている。

一人の女性の為にやるべきことを忘れたのか、自分が誰か分かっているのかと長公主に問われます。

私は李川だと答えた彼の頬を叩く長公主。あの時李川が変わった。それ以後彼は暴君に替わった。

彼も前世で壮年期の皇帝を演じる時にひげを付けているのですが、またまた様になっていない。

何だこれ。。。

上官雅（成果）

前世では、結婚前に彼女は賭場で知り合った蘇容華と懇意にしていました。蘇容華は彼女に結婚を申し込もうと思っていました。

しかし彼女は、私は太子妃として宮殿に入る、貴方が嫌いな私になると別れを告げて白い簪を渡して去ります。

上官雅は当時太子の李川に嫁ぎ愛情を望みました。

しかし乍ら、上官家から嫁いできた彼女に対して、太子はそれぞれ自分やりたいようにやって行こうと言います。

彼女は、太子の提案に同意しますが、条件として皇后に封ずることと彼女が世継ぎを生むこと。

太子は同意します。

二人は子供を産むために薬（どのような薬でしょうか）を飲んでまで行います。

しかし秦真真に子供が出来たことで一変します。

李川は、彼女の部屋にも寄り付かなくなりました。それで彼女は、父上官旭に男性を求めます。誰でも良いと。

やって来たのは蘇容華で、彼女は拒絶しますが、其処は好きだった男女ですから。。。

然し妊娠の時期が普通でない為に周りを困惑させます、子供の親が誰か分からない。

当時李川は上官雅と蘇容華の関係をまだ知らなかった。

蘇容華（易大千）

賭場で上官雅と知り合い、面白い女性だと彼女が彼方此方と行く賭場を換えますが、それでも付いて行きます。

上官雅の配下に痛い目に会わせられます、それで彼女を誘拐しますが、本物の山賊に出会ってしまいます。

その時彼女は、山賊に金を渡して彼を助けたことで好きになりますが、上官家の女性が蘇家の世子でもない蘇容華と結婚できることはなく、振られてしまいます。

上官雅と李川は皇帝を追い込むが、皇帝は太子を廃し肅王を立てる、裴文宣が世家に兵を出すように説得にあたる、世家は迷っていた時、真っ先に立ち上がったのが蘇容華でした。

これで李川は皇帝になりますが、秦真真を寵愛して、上官雅を相手にしなくなります。

蘇容華は家を出ようとしていた時に父親から、上官雅が男を求めていると言われ、宮中に入って行くが拒絶される。しかし向き合った二人は自然とそうなる。

上官雅は李信を産みますが、その時は李川が李信の本当の父親が誰か知りませんでした。

しかし自身の子で無い事は分かります、だから子供と上官雅を守ろうとして蘇容華は李平を毒殺しようとしますが、子供の食べるものをまず自身が毒見していた秦真真が死ぬことになります。

李川は肅王が反乱を起こしたので蘇家に鎮圧を命じた。蘇容華は自身が犠牲となって蘇家を守ろうとしたが、李川は蘇容華が敵に通じたして蘇家すべてを滅ぼした。

長公主が無実の罪と思い皇帝に助けるよう求めた、死罪は許してやるが罪は罪と宮刑に処した。

蘇容華は、上官雅にもらった白い簪を首に挿して自害しますが、既に死んだ蘇容華にも宮刑で罰します。

まさに恨み骨髄でしょうか。

秦真真／荀川（鶴秋）

前世では、秦臨の兵権を欲した皇后が太子李川の側室として秦臨の妹である秦真真を宮中に入れます。

李川は当初、秦真真を全く相手にしていませんでしたし、彼女も宮中で冷遇されていました。

秦真真の侍女が、裴文宣に助けを求め、裴文宣が李川に側室としての最低限の扱いをするように説得します。

李川は、秦真真に会いに行き、何が気に入ったのか分からないですが、彼女を寵愛するようになり李平を生みます。

秦真真は、宮中で非常に危険であると考え、李平から片時も離れず彼が口にするものは先ず自身が口にして息子を守っていました、其れが災いして蘇容華がいれた毒に倒れて無くなります。

皇帝と言えども人は人

秦真真の死後、李川の世家に対する最後の寛容が無くなった。

寵愛した妃の死は、始めて明確に自身の無力を意識させた。彼は迫られて狂った。
秦真真の霊を守る為、鬼になれば勝機が有ると考え、李信を太子に封じた。

世家は彼が妥協したと思った、然しそれ以後彼は暴君に替わった。感情の起伏が激しく重税を課した、寒門を重用し世家を殺しまくった。

李川はどの様な乱戦も顧みず、公正が何だと撥ねつけ、世家を覆すことだけを考えた。

寒門が昇進させた者は酷い汚職官吏、人々は悲惨な状況に陥った。

李川は、ずっと調査して秦真真を殺した真犯人を探し出した。上官旭を斬り、皇太后を自害させた。

寒門と世家は、もう共に滅ぶか、どちらかが生き残る為他方を滅ぼすまで戦うかの状況まで来ていた。李川は李蓉を監国長公主にして、休戦し世家を安心させた。

その後の10年は、大夏の休息時期であったが、しかし10年は長すぎた、最初如何であったかを忘れた、前途が見えずまた帰る所も忘れた。。。

そして時は来た

李川は裴相を呼んで遺言を託する、太子李信を廃し大皇子李平に後を継がせると、私は皇帝であったが所詮は世家の傀儡であり、姐の李蓉こそが最も大きな世家だと。

裴相は長公主を訪ねて跡継ぎのことを話す、三殿下李信は性格が尊大だ元々太子の器ではない。

長公主は李信は正妻の息子、嬪妃の息子を皇帝にはできない。

秦真真が亡くなって10年以上、それでもまだ真真と呼ぶ裴相に怒りを露にする長公主。

長公主のプライドは恐ろしく高い。。。

次期皇帝の決める話は決裂。

裴相は、以後は夫々の手段を取る、俺が何も言わなかったと責めるなよ。

長公主は問う、貴方の言う手段とはどの様な手段ですか。

裴相は答える、其れは貴方が考える手段です。

禅問答のような会話。。。

長公主は更に問う、私を殺さないと行けないのか。

裴相は更に答える、まさかできないと思っていないよな。

最後には、長公主府にいる蘇容卿をめぐってまた言い合い。

なんか痴話げんかにしか聞こえない。。。

長公主府から出て行く裴相、長公主府に薬を飲ませる蘇容卿、血を吐く長公主、医者を呼べ。

香美人之毒です。長公主はもし私が死んだら、裴文宣を殺せ。

長公主府からの帰り道で刺客に狙われて刺されて亡くなる。

長公主は毒で亡くなる。最後にやり直したいと願った長公主。。。

長公主が目覚めると死んだはずの侍女の靜蘭がいた。彼女は、駙馬選びの前に戻っていました。

記憶を持って戻っていたのは裴文宣も同じでした。秦家の小姐に婚約を解消されて、一番金がない時に戻ってきました。
それでもって平楽公主の駙馬選びの宴に行く事になります。

全ては初めからやり直しです。

二人ともにかえって来た

皇帝から、4人の男性の絵を見せられる李蓉。

暗にこの4人から駙馬選べと言う事であったが、李蓉は前世とは違い会って話してみたいと言い出す。

既にこの行為が前世と異なります。これが起点となり、以後の歴史が変わって行きます。

4人の候補とは、ハッキリ言って太子を押している李蓉に余計な力を与えない為の相手。

　盧羽　　寧國侯　盧廷威の息子　--　体が弱い　--　倒れて退却

　楊泉　　寧妃（楊婉）の弟　--　脳筋　--　宴で喧嘩し李蓉はご遠慮願う

　崔玉郎　後ろ盾のない官吏　--　放蕩　--　初めから無視

　裴文宣　前礼部侍郎裴礼之の息子　--　何もない

4人と会うために春宴が開かれるが、前世ではまだ出会う事のないはずの蘇容卿がやって来る。

前世と何かが変わっている。裴文宣の行礼（敬礼）はほぼ無視状態、発言の機会を与えない。

更に李蓉は、蘇容卿に駙馬に成らないかと誘っている。

蘇容卿が居ることを見せつけるために、蘇容卿の前で裴文宣を池に投げ落とした。

しかし蘇容卿に出来ませんと断られる。裴文宣しか駙馬候補に残らなかった。

ここで、前世の裴文宣が太子の側室となった秦真真を抱きかかえる回想シーンが有ります。

このシーンは無理やり入れたような感じで、ここでは明らかに李蓉は、秦真真ことで裴文宣に対して怒っています。それは結局、公主のプライドが傷ついたからだけなのですね。

二人は碁を打っていると共に以前最後の一局の棋譜と同じであることに気づき、共に帰ってきたことが分かると、昔の喧嘩の延長になる。

ここも痴話げんかですね。。。

最終的に二人は、寧國侯の息子盧羽が公主の駙馬として最適、彼は体も弱く長くはもたない。

李川が皇帝になれば、あとはお望みのままに。。。

裴文宣は、自身の事は自身でどうにかすると強がり、以後二人は会わないと言って帰って行く。

これだから脳筋は

裴文宣は、帰りの馬車の横を軍馬が駆けて行ったことを知り、楊泉が李蓉に対して陰謀を企て居ることを察知する。

どうせ、賊に扮した部下で公主を襲わせ、其処に助けにやって来た楊泉が賊を撃退し、英雄が美女を救い、其の後一晩彼女と過ごす、更に実家のパワーが有れば其れで十分駙馬に成れると踏んでいた。

裴文宣は、李蓉を助けるため罠を仕掛けるが、その罠で李蓉の乗っていた馬を倒してしまい、仕方なしに彼女を背負い兎に角逃げる。

途中で彼女が気づき下ろして歩きながらまた喧嘩を始める。

またまた痴話げんか。李蓉はまさしくツンデレ。

個人的にドラマの痴話げんか大好き。

しかし向き合って当時の事を話す。

李蓉　：どうして香美人之毒で私を殺したの。

裴文宣：殺す気が有るならもっと早くに遣っていた。
李蓉　：では如何していつもと違う濃い匂い袋を付けていたの。

裴文宣：言っても信じないだろうが、院の中に入るときに公主府では皆がこれを付けろと蘇容卿から渡された。

裴文宣：それに毒が有ったのかそれとも以前から他の毒を飲まされていて、それが引き金になった。

裴文宣：蘇容卿は、毎日君に温めた薬を送っていたではないか彼が毒を入れる機会が多いだろ。

裴文宣：兎に角俺は遣っていない

二人が向き合って話すと真実らしきものが見えてくる。

この時点では、李蓉を殺したのは「蘇容卿」。

喧嘩しながら一晩一緒に過ごし、朝起きてみれば

その後二人は、太子の捜索隊に見つけられ宮中に帰る。

皇帝に楊泉を殺せるかと聞かれる裴文宣。

宮中から出る裴文宣に公主は、剣を下賜する。

宮中から出て帰る裴文宣を襲う楊泉、裴文宣は楊泉を刺し殺し、また宮中へ。

そして、皇帝、大臣を前におびえた様子で楊泉を殺した事を報告する。

皇帝は、楊氏は公主を襲った、朝廷の官吏を殺そうとした、徹底的に調査しろ。

誰がやる、上官旭、蘇閔之、裴禮明、皆楊家に遠慮して名乗りを挙げない。
皇帝は裴文宣にお前がやれ、今日から御史台　监察御史を担当しろ。

そして朝堂で裴文宣が、楊家が敵国と通じて汚職していたと非難する、当然の様に異論が多数、然し裴文宣の反論に最後は皆沈黙する。

皇帝は裴文宣を御史台监察御史に任命し李蓉と共に調査を命じ、この勅の起案も命じる。

度華年-2へ続く

度華年-1