サッカー/フットボールを好きになったきっかけは、単純にユニフォームがカッコいいと思ったから。

街、団体独自のアイデンティティによって採用されたシャツの色と、何だかよくわからん横文字の企業名。

オマケに胸のクレストがガンダムに乗りたい夢を見ていた子供の自分の目に輝きを放って飛び込んできた。

勿論、クレストの薔薇の意味や何故シャツが縞々なのかなんて理解出来るはずも無く、それを知っている大人も周りに居らず、ただただそれを着て走り回る外人のアンチャン達がなんとなくカッコ良く見えた。

それとは別に、もっと昔にバルセロナの映像だかで、クーマンのキックを解説者が絶賛していた事に刺激を受け練習するも、すぐに興味はガンダムへと移った。

その次は革ジャンに目移り。
学校から早く帰った昼下がり、トラボルタか誰かの映画がTVで流れていた。
主人公では無いようだった。
車のボンネットの上でキメるシーンを真似して近所のオヤジに叱られた。

友達の家で遊んでいると、あまりお行儀のよろしくない先輩に連れられ、夜の繁華街に繰り出した。
会社帰りのオッサンや、いかにもなコワモテの方、メイクバキバキのお姉サン達で賑わっていた。
そこで外国人に道を尋ねられ、彼が地図を取り出そうとしたバッグの中には『あのユニフォーム』が入っていた。

正直、違っていたのかも知れないが、とにかくその時の自分には昔憧れたユニフォームにしか見えなかった。

興奮する自分に外国人の男はチームや選手の名前と思しき英語を並べたが、何一つとして理解が出来なかった。

やがて音楽に興味を持ち、海外の小さなライブハウスで8ミリを手録りした粗く揺れる映像を何度か観る。技術、環境から自分達と同じ様なプロになっていないバンドだなと思った。

ダミ声でシャウトを連発していたちょっと太めのオッサンがユニフォームを着ていた。

あまり好きになれない曲だったが、一発でこのユニフォームに惚れた。
少なからず興味ある物がリンクした瞬間だった。
臙脂に薄い水色のユニフォーム…West Ham。

これが始まりだった。