Wikipediaがあてにならないこと、特に日本語版は間違いが多いということはよく知られていることだが、中でもクラシック音楽関係の項目にデタラメが多いのはどうしてなのだろうか。
先ほど「アルマ・マーラー」の項目を読んで呆れたのであった。
間違いだらけである。
特にひどいのは次の部分。
「マーラーが自作の交響曲第10番を、まだ心身ともに完成できる状態にありながらも未完成で遺した点については、アルマが看病のために戻ってきたことでマーラーが安らぎを取り戻し、それによって創作意欲が解消されたとも言われる」
こんな何重にもデタラメが重なったことがなぜ書けるのか不思議である。
「交響曲の標題」などという項目も間違いばかりである。そもそも「タイトル」と「プログラム」と「ニックネーム」の区別がついていない。わざわざこのような項目を立てるのならば最低限の理解は持っていてほしいものである。「標題」が説明されている個々の例にも事実誤認が多い。
「ホーレンシュタイン」の項目には、1969年から1971年にマーラーの交響曲全集を録音したなどということが書いてある。
いったいどうしてこんなデタラメを書くのだろうか。
もっとも、こういうWikipediaのデタラメをそのまま書き写したCDの解説などがあるのにはさらに呆れるけれども。
さらに「呆れる」というより、もう絶望的になるしかないのは、これらのデタラメをそのまま切り貼りしただけではなくて、それ以上の間違いを付け加えている文章が堂々と恥ずかしげもなくCD解説に署名入りで載っていることであるが。