2011年公開の映画『マーラー 君に捧げるアダージョ』に使われている音楽について。
この映画のためにエサ=ペッカ・サロネンがスウェーデン放送交響楽団を指揮した特別な録音が使われているようです。この点だけでも見逃せない映画ですね。
特に交響曲第10番第1楽章に関しては、楽章を構成する個々の声部を分解・断片化した録音も用意し、「マーラーの頭の中をのぞくような体験」(サロネン談)を目指したということです。
かつてのケン・ラッセルの映画がハイティンクの既成の録音を使ったことを考えると隔世の感があります。
ちなみにこの映画の原題は“MAHLER AUF DER COUCH”で、この映画の内容を端的に表しているタイトルです。
言葉を補って意訳してみると、『(フロイトに向かって、アルマとの日々について)マーラーがソファーで語ったこと』くらいになるでしょうか。