本日、2010年5月18日は、グスタフ・マーラー(1860-1911)の99回目の命日に当たります。
それで、今日は少々珍しいものを取り上げたいと思います。
まず未完に終わった交響曲第10番のデリック・クック版をさらにピアノ・ソロ用に編曲したものです。
実にさまざまなことに気づかせてくれる興味深いCDです。
もう一つ、第10番に関連する録音を。
こちらは交響曲第10番の第1楽章を15の独奏弦楽器のために編曲したものです。
編曲者はハンス・シュタットルマイアという人で、スコアは1971年に出版されています。
表紙をまずご覧ください。
冒頭部分をアップで
編曲者のシュタットルマイア自身が指揮をして、1973年にレコードになっています。
演奏しているのは、ミュンヘン室内オーケストラで、A面にはリヒャルト・シュトラウスの『メタモルフォーゼン』が入っています。そのA面ととても調和しているといえばこのシュタットルマイアによる編曲がどのようなものかある程度お察しいただけると思います。
ただ残念なことにこのLPは1973年にフランスで出ただけでそれ以後まったくどのような形でも出ていないようです。もし中古レコードを取り扱っているお店で見かけたらぜひ入手されることをお勧めいたします。
ところが3年ほど前にこのシュタットルマイアの編曲にさらにクレーメルが手を加えた録音(20の弦楽器によるもの)がCDで出されました。シュタットルマイアのものに比べるとかなり濃厚な味付けになっていますが、これも素晴らしいものだと思います。
また、一緒に入っているショスタコーヴィチの交響曲第14番も聞き逃せません。
クレーメル/マーラー・ショスタコーヴィチ
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そういえば、マーラーの交響曲第10番とショスタコーヴィチの間には大変に深い関係があるようなのですが、今後の課題にしたいと思います。