本日は演奏会のお知らせです。

アレグロ・オルディナリオ~マーラーを中心としたクラシック音楽のことなど


クヮトロ・ピアチェーリ 宗次ホール・デビュー・コンサート


2009年5月31日(日)15:00開演 14:30開場


ナンカロウ:弦楽四重奏曲 第1番

矢代秋雄:弦楽四重奏曲

ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲 第2番 イ長調


会場:宗次ホール 左矢印HPへ

(名古屋市中区栄4-5-14) TEL:052(265)1715


クヮトロ・ピアチェーリのご紹介(演奏会チラシから引用)


「 日本のオーケストラや室内楽の分野だけではく、ソリストとしても活動し、古典から現代作品まで、幅広く、豊かな演奏経験を持ち合わせた、4人による弦楽四重奏団。カルテットの活動を通し、室内楽の楽しさ、醍醐味を伝えていこうと、イタリア語で「喜び、楽しみ」という意味を持つ「ピアチェーレ(piacere)ということばをグループ名に掲げ、2005年に結成した。2006年秋から、「ショスタコーヴィチ・プロジェクト」と名づけた年2回の定期演奏会をスタート。ショスタコーヴィチの全15曲の弦楽四重奏曲に取り組むと同時に、毎回、ショスタコーヴィチ以外の海外の作曲家、日本人作曲家の作品を各1作紹介し、弦楽四重奏曲における現代作品のレパートリーの拡大と普及につとめている。」


 上に引用した紹介文にもあるように、このクヮトロ・ピアチェーリは非常に意欲的なプログラムで活躍しています。

 今回、宗次ホールにデビューということで大いに期待しています。そして、ぜひ名古屋でもこれからショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲全曲演奏会を実現させていただきたいと思います。

 そのためにも、名古屋および近郊にお住まいのショスタコーヴィチ・ファンだけではなく、室内楽ファン、いや、熱心な音楽ファンの方は5月31日に宗次ホールに集まってホールを一杯にしましょう!


 ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第2番は、第2番という若い番号から初期の作品と思われがちですが、ショスタコーヴィチは弦楽四重奏曲というジャンルに対しては非常に慎重だったために第1番が書かれたのが1938年(あの交響曲第5番の次の年)なのです。

 第2番は、作曲時期としては第二次世界大戦末期、交響曲第8番と第9番の間に書かれた、作曲家として円熟の域に達したショスタコーヴィチならではの特徴に満ち溢れたきわめて充実した大作です。他の作曲家の交響曲を1曲聴くぐらいの満足感が得られること間違いなしです。

 この曲が聴けるということだけでも、このコンサートは十分すぎるぐらいにありがたいものなのですが、コンロン・ナンカロウ(1912-1997)の弦楽四重奏曲第1番が聴けるというのもたいへんに貴重なことだと思います。

 ナンカロウという作曲家は、自動ピアノを使っての不思議な世界を作り上げた(というか、変な世界にのめりこんでいった)、わけのわからない人として知られていますが、それらの自動ピアノの世界に取り付かれる前の「普通」の音楽は、何とも不思議な温かくて優しい、でも、ケージ以後にしかあり得ないような世界を創り出しています。たぶん生でお聴きになるとかなりの人が病み付きになる音楽であるのではないかと思います。

 そして矢代秋雄(1929-1976)です。

 1929年生まれですから、今年が生誕80年という記念の年です。今回演奏される弦楽四重奏曲は1955年(ちなみに私が生まれた年です)に作曲されたもので、20世紀の日本の音楽を考える上で極めて重要な作品だと思います。


 そして会場が、あらゆる面で素晴らしい「宗次ホール」!

 

 これを聞き逃したら、きっと後悔します。


なお同じプログラムでの演奏会が5月30日(土)王子ホールでも行われます。

 お問い合わせ先:,東京コンサーツ 左矢印HPへ

 (03-3226-9755)