中村真一郎先生の奥様である佐岐えりぬさんからお年始の挨拶のお手紙をいただきました。その中に、加藤周一先生の「追悼文を書かされたのでお送り致します」というお言葉とともに、その追悼文が掲載された『立原道造記念館 第48号』が同封されていました。
冒頭部分を引用させていただきます(佐岐えりぬさんにご承諾をいただいております)。
「2008年12月7日、加藤周一さんの通夜が世田谷区の上野毛カトリック教会で、近親者が集まりしめやかに行われた。神父さんの説明によると加藤さんはまだ意識のはっきりしていた8月に、カトリックの洗礼を受け、ルカという洗礼名を頂戴し、12月5日午後2時、ルカ加藤周一として、安らかに昇天された。89歳であった。彼の親友であった私の亡夫、中村真一郎より10年長生きして、真一郎の識ることのできなかった時代を生き、彼でなければ出来なかった仕事を残せたことは、わが国にとっても、世界的にも大きな貢献であった。
さて、私がここで、加藤さんについて述べることが出来るのは、ごく個人的な思い出にすぎない。私が加藤さんと初めて会ったのは、私が2年半ほどのパリ留学を終えて帰国したばかりの頃、1973年の秋であった。・・・・・・」
という調子で始まっていて、加藤周一先生と中村真一郎先生の、佐岐えりぬさんにしか書けない思い出がたくさん詰まった文章です。加藤周一ファン、中村真一郎ファンの方はぜひ入手してお読みになるといいと思います。
詳しくは『立原道造記念館』
へホームページにリンクを張ってあります。