芦原先生へ
病棟時代、すごくすごく暇でひとりぼっちな時に先生の作品である『砂時計』に出会いました。
まだ恋とか愛とかは知らないような子どもでしたが、子どもながらに感動して、とても面白くて、読んでいてとても楽しい作品でした。
一人一人のキャラクターにとても個性があってどのキャラも私は大好きです。特に大悟が好きです。
第1巻で杏が母の美和子を失い深い悲しみの中にいた時、大悟から砂時計を送られるシーンがありますよね。そのシーンで大悟が「ずっと一緒におっちゃるけん」というセリフがあるんですが、私はこのセリフが本当に大好きです。
私は母を亡くしたりしていたわけではありませんでしたが、病室でひとりぼっちでいた時この言葉はとても心に響きました。今でも漫画を読み返すと涙が零れるような、笑顔になるようなそんなよく分からない感情になります。
「ずっと一緒におっちゃるけん」というセリフは12歳の男の子が使うような少し子どもじみたセリフなようにも感じましたが、そのシーンの芦原先生の絵がとても素敵でした。
雪が降る中で地面に膝を着いて杏と大悟が抱き合うシーンは多分一生忘れないくらい強く印象に残りました。
この他にも好きなシーンは沢山ありますが、文字にして書くと上手く表現出来ないので心の中で先生に伝えます。
今日、ニュースで先生の訃報が入ってきた時から今までずっと涙が止まりません。
本当に大好きで尊敬していました。
先生の作品に出会ったから私は絵を好きになったし、アニメ業界を知り、声優を知り、事務所に入るまで至りました。
先生の大切な作品が大きく改変されて先生はすごく悲しかったと思います。
私も同じ気持ちです。
ですが、どうか自分から死を選ぶようなことはして欲しくなかったと思います。
どうか、もう少し制作陣や世間と話す時間が欲しかったです。
もっと、お互いに理解し合っていれば…SNSで強いリプが来なければ…色んなタラレバを考えてしまいます。
砂時計の落ちた砂は逆流してこないように、過去は戻ってきません。
先生が居なくなってしまった今を生きるのがすごく辛いです。
自分勝手ながら、先生の色んな作品をもっともっと知っていきたかったです。
今はただ、先生の死を悲しむしか私には出来ません。落ち込んで落ち込んで泣いて、笑うのも難しいです。
こんなふうに長々と私の勝手な気持ちを綴っている訳は、芦原先生には先生を大切に思って大好きだって思っているファンがいることをどうか伝えたかったからです。
本当に本当に先生が大好きです。
これからも先生の作品を読み続けます。
ありがとうございました。
ご冥福をお祈りします