絵といえば創作と決め付けていた時期の鉛筆画です。

画面を木の年輪と言うか木目風にして森に現れる精霊と合わせてみました。

幼い頃私は気が小さいわりに超自然に興味があって、おっかなびっくりしながらも薄暗い林床に入り込むことが好きでした。

明るい森の入り口から、もと来た道を確かめながら、まだ見ぬ世界に惹かれて次第に暗くなる木々の奥へ歩を進めていたのです。

湿気た森の匂い、道迷いの恐怖とか細い好奇心が入り混じって、時折山の奥から聴こえるライフル銃の発砲音にはっとさせられながらの探検気分でした。

今にして思えば森の縁をうろうろしていただけだったのでしょうが、当時の私には大した挑戦だったのです。

今でも森を歩くのは好きですね。

もう虫取りもどんぐり拾いもしないけれど、人里から遠く離れた深い森には確かに何かがあるようです。 

もう、そろそろ戻らなければ、と言う不安を求めて今日も私は歩いています。




自然公園の中にあるとっておきの泉にホタルがいます。

街頭も無い真っ暗闇の中で仄かに灯ったり消えたりする妖しい光の瞬きは意を決して入った期待を裏切らない光景でした。