キキは決めていたのかもしれません。

 
命のボタンを押す日と時刻を。
 
かあしゃんに悟られないように
 
かあしゃんの誕生日を
 
一緒に迎えて。
 
今年はキキががんばってるから
 
お誕生日タルトではなく
 
大好きだよ、キキちゃんタルトにしてもらったもんね。
 
 
かあしゃんはばあちゃんに声をかけて
 
外出させてくれた。
 
久しぶりのばあちゃんのにおい。
 
大好きな抱っこ。
 
頭なでなで。
 
かあしゃんは
 
ばあちゃんとお昼もお出かけせずに
 
おうちでごはんだったから
 
たくさん一緒にいれたよね、ばあちゃんと。
 
 
翌日の19日。
 
かあしゃんは
 
私たちを連れて、動物病院へ。
 
ちるこかあしゃん(第2のおかあしゃんね)に
 
わたしの爪切りを手伝ってほしいと
 
お願いしていた。
 
毎日点滴の間、ずっと首根っこつかまれてるからね。
 
ずっとずーっと
 
ちるこかあしゃんは、キキ、キキって言って
 
抱っこしていてくれた。
 
 
大丈夫、キキ
 
今日は目力あるからね。
 
この日がちるこかあしゃんとお別れになるなんてね。
 
2月20日。
 
キキは元気なく、床のマットの上に横たわっていた。
 
どきっとしました。
 
アイソカルごはんをなんとか食べてくれて
 
ほっとしたけど。
 
実はこの日。
 
深夜入りのスタッフが体調を崩していて
 
朝から私か、もうひとりの男性スタッフか
 
翌日(2月21日)の勤務を
 
深夜勤務に変更できないかという話が出ていました。
 
先に聞いた男性スタッフが引き受けていてくれたから
 
私は遅出勤務のままで済んだのです。
 
もし、先に聞いていたら
 
私は引き受けていたと思います。
 
だけど、引き受けないでいてよかった。
 
まさか、このときから
 
キキがごはんをもう食べたくないんだ・・って
 
サインを出してくるとはね。
 
 
キキは、リオとくっついて寝ていました。
 
起こすのはとても忍びなく思ったけど
 
食欲が落ちてる。
 
アイソカルを少し、なめてくれるだけ。
 
少量ずつを回数分けてあげなければ。
 
 
キキとずっと一緒にいなくちゃ・・
 
そう思った私は
 
 
キキをキャリーに入れて1階へ。
 
キャリーの蓋は開けたまま。
 
お風呂に入る時間も怖かったから
 
脱衣所までキキを連れて
 
急いでシャワーで済ませました。
 
 
キキの瞳の力が弱くなっているのが怖くて
 
祈るような気持ちでした。
 
2月20日から21日にかけて
 
もう、アイソカルも受け付けなくなっていました。
 
 
2月21日。
 
ずっと枕もとでキキを見ていたけど
 
5時40分頃から
 
呼吸が荒くなってきて
 
もうお別れが近いのかもと感じていました。
 
キキ、キキ、と頭をなでて。
 
キキの写真を撮ることを
 
不謹慎だと思われる飼い主さんもおられることでしょう。
 
許してください。
 
キキが一生懸命生きた記録を遺したかったのです。
 
 
眠り姫キキ。
 
私の目の前で
 
2月21日6時40分
 
キキはお空へ旅立っていきました。
 
キキ、キキ、私のキキ。
 
ばあちゃんに抱っこしてもらうことができて
 
ちるこかあしゃんにも抱っこしてもらって、爪切りまでさせてくれた。
 
お別れを言っていたのかもしれないと
 
今は思います。
 
具合が悪いよ
 
もう、ごはんを食べれないんだ
 
お別れが近いのかもしれない・・
 
キキは私に覚悟する時間をくれました。
 
くぅぅ、くぅぅって、泣いて
 
私の声に返事をするようにも
 
おかあさん、おかあさんって私を呼ぶようにも思えました。
 
呼吸が荒くなってから
 
息を引き取るまでの1時間。
 
私は目に焼き付けておきたかった。
 
一生忘れない、キキとのかけがえのない時間。
 
看取りをさせてくれて
 
キキをお風呂に入れて綺麗にする時間も
 
キキのからだが傷まないように
 
保冷剤で冷やす時間までも用意してくれました。
 
 
キキは、自分で命のボタンを押すタイミングを
 
探していたのかもしれません。
 
大切な人に
 
心の中でお別れを言って
 
私に、キキと一緒に過ごす時間を残してくれました。
 
 
賢くて、かあさん思いのキキ。
 
私の自慢の娘だよ、これからもずっとね。