4月に新入社員が入り、
ワタシは自動的に繰り上がり、さらに後輩が増えた。
必然的に新人教育担当となった。

誰かに何かを教えることなんておこがましい・・・
ワタシ自身たいしたことないのに、注意なんてとんでもない。
常日頃、そう思って仕事をしている。

質問されたり困っていたら、もちろん助けるけど、
「大丈夫よ~」とその場を最速に収める方法を教えるのみで、
トラブルに言及しない。

でも、新入社員の教育となると話は別だ。
今まではご近所の優しいお姉さん的対応で問題なかったけれど、
育てることを考えると、厳しい事も言わなくちゃいけない。
はっきり指摘して気づいてもらわなきゃいけない。
今、教えることが基本なんだから、
今のうちに軌道修正してあげなくちゃいけない。

どんな仕事もそうだと思うけど、
ワタシの仕事も、最初に大量の業務知識を勉強する必要がある。
学生時代サボってばかりだったワタシでさえ、勉強した。

勉強不足の子が仕事を出来ないのは自業自得だ。
「とりあえずノートまとめよっか~」とやんわり注意する。
でも、一生懸命頑張っていて、なかなかうまくいかない子もいる。

今日、担当した子がそういう子だった。

全てをフォローしてその場を収めてあげるのは簡単だけど
それじゃその子のためにならない。
だからといって、突き放しきることもできず、
明るくクイズ形式に苦手な部分の練習問題を出しまくった。

業務終了後に、今日1日その子の様子を見て感じた業務知識の理解度を
点数にして上司に提出する。

すごく頑張っていることを感じた。
いろんな先輩からいろんなキツイことを指摘されたからか
ワタシにまでビビっている模様。
笑えるぐらいの最大級な尊敬語で話しかけてくる。
口癖は「すみません」だ。

「この子、こういう所を理解してなくて、まだ目を離せません。」

彼女の出来を上司に報告するのがつらい。
いいこと言ってあげたいのに、言ってあげられない。

頑張っているのに報われない彼女を、横で見ていてせつなかった。

「仕事なんて適当でいいよ」ってワタシはよく言うけれど、
適当ってのはどうでもいいって訳ではない。
遊びでなく「仕事」なんだから、プロとして業務知識はMUSTだ。
ただ、人生の中で「仕事」を、最大に重要視する必要はないってこと。
重要だけど、世界はそれだけじゃないし。

肩の力を抜いて、いい意味で気楽に取り組んでくれたら
いいんだけどなぁ。

「わからないことは何でも聞いてね」

それがワタシの精一杯で、
あとは彼女が自分で乗り越えるしかない問題なのだろう。

うまくいかない彼女が会社を辞めることを考えず、
今を乗り切って成長してくれることを心から願う。


横で見守るのも、なかなか忍耐がいるわ。