山の頂上に司馬台長城がある。

その山で十分だし。さらに長城なんか作らなくても・・・
誰も来ないってば・・・

って思うぐらい険しく見えた。
過酷だからか、日曜日にもかかわらず観光客はほとんどいない。


閑散としたロープウェイ乗り場にはオバサン係員が4人。

オバサン1がロープウェイのドアを開け、客が乗り込む。
そして、オバサン2がドアを閉める。

上りに2人、下りに2人の計4人だ。

「人材ありあまってんなぁ、そして薄給っぽいなぁ・・・」と
余計なお世話な話をしつつ、おもちゃみたいなロープウェイに乗りこむ。

ハコは、ゆっくりゆっくり昇っていく。
もし長城がなくても来てよかったと思えるぐらいいい景色だ。
口数も少なく、景色に魅入る。

観光客自体少なく、ロープウェイは貸しきり状態。
下りのロープウェイの人とも数えるほどしかすれ違わない。

ワタシもyukiさんも景色ばかり見ていて気づかなかったが、
よく見ると下りのハコに乗っている客層がおかしい・・・

日曜の昼下がり。
イメージは、家族、カップル、学生たち、外国人観光客だ。

ところが

あるハコには、椅子に三角座りで携帯をいじる若い女の子がひとり。
何故にひとりなんだ??
携帯いじりまくりで景色なんて見ちゃいない。
ひとりで来ちゃうほど、長城に興味のある子には見えない。

別のハコには、スーツを着たオヤジ2人組。
上にビジネスチャンスはないと断言できる。

何の用事があったんだって面々とすれ違ったのち
ロープウェイの降り場が近づく。
やっぱりオバサン係員は上り、下りで計4人いる。

想像通り、オバサン1がドアを開け、ワタシ達が降り、
オバサン2がドアを閉める。

本当にすごい仕事だよな。
ワタシの友達の中に
「鳥取砂丘の長靴レンタル所の長靴管理員になりたい」とか
「警察署の落し物管理係になりたい」とか
そんなやる気のない話でいつも盛り上がる人がいるので、
「ロープウェイのドア開け係員」も報告しなきゃ。

かなり上位に食い込むこと必至だ。
だってドア開けるだけだし。閉めなくていいし。
しかも、ほとんど客いないし。
本当にすごい仕事だなぁ。
いいっていうか、悪いっていうか、「すごい!」だ。


話がそれたけど、こうして「景色見る」っていう大義名分により
楽に長城付近までたどり着くことができた。

けど!!

長城まですごく遠い気が・・・

長い階段が続いているけど・・・そんなはずないよね。

ワタシ「うわ、なんか遠くないですかー!!??」

不安をもらしつつも、
まさか本当に登り切れない危機がこの先訪れようとは
この時点では露ほども考えていなかった・・・






P.S 帰国して早1ヶ月なのに、
    この旅行記まだ2日目終わってないし・・・
   今、ワタシは日本です。