【ここぞとばかりに機内満喫(1日目)】の続き。



北京空港の到着ロビーで見たことのある顔が・・・

ワタシの記憶が正しければ、約1年前、中国雲南省・大理のドミで
ふたつ向こうのベッドで寝てた人だ。
さらに、ワタシの記憶が正しければ、ワタシは彼に夕飯をご馳走になっている。

でも、向こうはワタシに気づいていない。

ナチュラルを装い、何度も彼の周りを歩き、顔を盗み見して
ワタシのうろ覚えな記憶と重ねる。

「うぅ・・・、たぶんアイツだよな」

どうしよう?

結局人違いで、感じ悪く「あっち行け、ジャップ!」的なことを言われたら
立ち直れない。
旅行は始まったばかりなのに、そんなダメージは避けたい。

でも、もし本当にワタシの知る彼だったとしたら、
こんな再会、最高に嬉しい。

ここで声を掛けなかったら、後で絶対に後悔する!と思い、
意を決して話しかけることに。


「台先生」と書いた紙を前のめりに掲げている彼の後ろに回りこみ、
肩をポンポン・・・


振り向いた彼の目が、ワタシを見て点になった。

友達疑惑の中国人「・・・サンダルー!!ファンタスティーック!!」

彼はやっぱり1年前に会った彼だった。
声を掛けてよかったと心底感じつつ、久しぶりの再会に固い握手を交わす。


友達だった中国人「サンダルは一体どこから現れたの!?」

ワタシ「大阪から今着いたんだよ!ホント久しぶりー」

ありがたくもワタシの名前を憶えてくれている。
でも、ワタシの記憶から彼の名前は忘却の彼方だ。ホントすみません。


こうなったら・・・

「YOU」で乗り切るしかない!


大理以降の、この約1年の出来事をお互い報告しあう。
ワタシのおおざっぱな英語は「YOU」さえ使わないこともしばしばなので、
これは何とか乗り切れる!と確信を得た時。

YOUな中国人「今夜、21時にコーヒーを飲みに行こう」

(なんで21時やねん)

ワタシ「今夜は無理だよ。約束あるもん。」

(これはホント)

YOUな中国人「じゃあ、明日は?」

ワタシ「明日ならいいよ」

YOUな中国人「じゃあ、どこの宿?住所は?」


雲行きが怪しくなってきた。

宿の住所を教えるのもいいし、コーヒーを飲みに行くのも大歓迎だけど、
待ち合わせするのに、彼の名前を知らないのは不安だ。
何かあって会えない時、まずい。これは問題だ。

ワタシ「ワタシの宿はここです。で、話変わるけど、YOUの名前は何でしたっけ?」

失礼を承知で尋ねると、快く教えてくれた。
YOUは、チャンさん!!

あー、そうだったよ、そうだったよ!
とはならず、聞いても記憶は蘇らない。ホントすみません。

結局、明日の21時にワタシの宿のロビーに迎えに来るってことになった。
最後にまた握手して、「また明日!」と別れた。


ホント声をかけてよかった ホント奇跡だよ。
ワタシとチャンさんは、偶然、同じ日の同じ時間に北京空港にいた。
すごい!一人っ子政策をものともしない中国の恐ろしい人口を考えると、
奇跡としか言いようが無い。
旅の始まりにこの再会。最高の幕開けだ。



さてさて、次はバス乗り場を探さねば。
バックパックを背負いなおし、気合い入れて空港出口へと向かった。