
「父親たちの星条旗」
という映画を見た。
第2次世界大戦時の最も悲劇的な戦いと言われる“硫黄島の戦い”を、
アメリカ側の視点から描いた戦争映画。
監督は『ミリオンダラー・ベイビー』のクリント・イーストウッド。
日米双方の視点から“硫黄島の戦い”を描く“硫黄島プロジェクト”第1弾作品
としても注目だ。
有名な“摺鉢山に星条旗を掲げる米軍兵士たちの写真”の逸話をもとに、
激闘に身を置いた兵士たちの心情がつづられる。
『クラッシュ』のライアン・フィリップら、若手スターが多数出演。
第2次世界大戦の知られざる一面が垣間見られる。
第2次世界大戦の重大な転機となった硫黄島の戦いで、米軍兵士たちは
その勝利のシンボルとして摺鉢山に星条旗を掲げる。
しかし、この光景は長引く戦争に疲れたアメリカ国民の士気を高めるために
利用され、旗を掲げる6人の兵士、ジョン・ブラッドリー(ライアン・フィリップ)らは
たちまち英雄に祭り上げられる。
(シネマトゥデイ)
*************以下、ネタばれ注意***************
星条旗を掲げた兵士たちの1枚の写真が、長引く戦争に疲れ始めた
アメリカ国民たちの心を掴んだ。
財務状況が破綻しかけていたアメリカは、彼らを英雄に祭り上げることで、
国民から寄付を得ようと考えたわけだ。
兵士たちが帰国したアメリカが戦場とは別世界なのが印象的。
銃弾が飛び交い、バタバタと戦友が死んでいく戦場に引き換え、
アメリカ本土では、スーツやドレスに身を包んだ人たちがパーティに参加する。
それほど、アメリカが優勢だったってことだろうけど、
観ていて、生死をかけて戦う兵士たちを気の毒に感じた。
国民の歓迎に兵士たちの心もさまざまに揺れる。
英雄と呼ばれることに罪悪感を抱く者もいれば、
その上にあぐらをかく者もいる。
「本物の英雄は死んでいった兵士たちだ」と兵士は言う。
でも、死んでいった兵士たちに「自分を英雄と思うか?」と聞いたところで、
自分を英雄とは言わないだろう。
戦争に英雄なんていない、と映画は言っていた。
-祖国のために戦い、戦友のために死ぬ-
この言葉がとても心に残った。
そして、何よりエンドロールが素晴らしい!
(っていうと語弊があるかな?)
この映画を観て、エンドロールの途中で立ち上がった人の気が知れない。
とはいえ、最後にサプライズがあるわけではない。
実際の兵士の写真、資料が映し出されていくだけなんだけど、
ワタシはその数分間に、もう一度2時間映画を観たような重みを感じた。
今から観る人は、絶対最後まで観てね。
P.S
クリント・イーストウッドって監督業でも成功しているけど
ワタシの中では依然「クロコダイル・ダンディー」の
帽子に露出度の高い変なチョッキ姿のイメージが強かった。
今回、この作品を見て初めて、彼をカッコイイと思えた。