>>②のつづき


心とは裏腹に山道を歩くことになったが、
歩き始めたら、それはそれで楽しい。

それに、おっちゃんてば、すごくいい人で
いい景色の場所があったら「ここここ!カメラカメラ!」と
オススメスポットに出くわす度に、写真を撮ってくれる。
なかなか言葉は通じないけど、「すごくキレイな景色だね」とか
「写真撮ってくれてありがとう」とか、癒し系な短い会話を交わし
穏やかな気分で並んで歩く。

でも、心によぎる一抹の不安。

(観光案内料金、請求されるかな?)

インドばかり行き過ぎて、そう簡単に初対面の現地人を
信用できないのだ。観光ビジネスをしている人は特にだ。
最後の最後で平気で裏切ってくるインド人を相手にしていたので
おっちゃんは、いい人だと信じたいけど信じ切れない。

つべこべ考えても解決しないので、
請求されたら払おうと決めた。
この人になら払ってもいい、と思えたからだ。

冒頭でも言ったように、
心に反して山道を歩く羽目になったわけだが、
おっちゃんの気持ちはありがたく、うれしかった。

請求されたら残念だけど、ちゃんと案内してくれてる訳だし
その代金は払うべきかもしれないとさえ思えた。

これは、すごく珍しい!
「案内なんて頼んでないから、払うわけないだろ」
「ついて来んな」「一人にしてくれ」「バカ」などなど。
一般社会でのNGワード連発だったインドではありえない考えだ。

結局、これが見所かよ!っていう、水が零れてる岩を見て
早々に引き返した。

そして、また馬に乗っておっちゃんと一緒に下山する。
帰りは慣れたもんだ。
他の観光客を追い抜かしながら、馬とおっちゃんは走る走る。
ワタシも「ターーッ」と馬を鼓舞しながら
最後の馬遊びを楽しんだ。

かなり下山して馬乗り場に近づいた時、
おっちゃんはタバコをくれた。
馬に乗りながらタバコを吸う。なんてエラそうなんだろう。

中国で女性の喫煙者をあまり見かけない。
中国人なおっちゃんは、馬に乗りながらタバコを吸う
このワタシをどう見ているのだろう?

イカツい女と思ってるのか?
それとも、外国人観光客だと割り切っているのか?

そんなことをぼんやり考えながら、馬乗り場に到着だ。
手を合わせてお礼をいい、馬とおっちゃんの写真を
最後に撮らせてもらった。
「あえて革靴のおじさん①」の写真はその時のものだ。


結局、おっちゃんは何も請求してこなかった。

こういう時、本当に自分が嫌になる。

騙すように見所を案内し、お金を請求してくる人ではなかった。
おっちゃんは親切で案内してくれたのだ。

ワタシは、まだ中国人をよく知らない。
インドで騙されて鍛えられているので、商売人は疑ってばかりだ。

騙されるのが嫌で、料金を何度も確認したり、
その料金さえ嘘じゃないかと疑ったりする。
その上で、その商品のクオリティが売り手の言い値に
見合っていると納得できたら買うのだ。
たとえ、後になってボラれたと分かっても、
納得したからいいやと諦める。

こんな、自分が納得したかしなかったかで決める
買い物方法なので、売り手を全く信用していない。

そうやって警戒しなければ、やっていけない国もあるだろう。
でも、そんな国にもいい人はもちろんいる訳で、
そういう人まで疑ってかかり、相手の気分を害してしまった時、
何ともいえない気分になるのだ。


人を信じるって難しい。

それって、自分の直感を信じれてないってことだから、
つまりは、自分を信用してないってことなのかな。

日本にいる時、こんなタイプの自己嫌悪があるなんて
想像したこともなかった。

悪徳商法とか以外、一般企業でお客を騙すようなこと
しないだろうし、友達と金銭トラブルなんて起こさない。

日本で普通に生活してたら、
よほどバカをしない限り、
よほど運が悪くない限り、
そんなシチュエーションにならないもんなぁ。

信じる信じない以前に、
相手を疑う機会がそうそうない。

日本って、そういう面ではすごく平和なのかもしれない。

チベット以外で、今回中国を初めて旅したけど
観光地で少数民族からちょくちょくボラれたぐらいで
全体的に良心的だった気がする。
(普通というべきか??)

こんな人間不信、完全にインド病だ。
同じインド人同士でも奴ら騙し合うからな~
改めて、インドってすごい国だと思う・・・

ほんま、なんやねんあの国!?
わけわからんわ~