
写真の場所は、雲南省の大理古城。
四方を門で囲んだ古い町並みの小さな町で
北には蒼山、南には洱海というデカい湖が広がる
なかなか風光明媚な場所だ。
馬で山が登れると知り、早速申し込んだ。
馬で蒼山の中腹にある中和寺まで行くという内容だ。
指定の時間に申し込んだカフェで待つこと20分。
革ジャンにスーツのパンツと革靴を履き、
派手な黄色の帽子をかぶったおっちゃんが現れた。
悪い人じゃなさそうだが、ナニブン言葉が通じない上、
筆談してる暇もなく、コミュニケーションが取れない。
そもそもお互い目的がはっきりしているので、会話も特に必要なく
黙々と歩き、馬乗り場に到着する。
しかし、馬はおらず、「ちょっとまっててね」という
ジェスチャーでおっちゃんはどこかへ消えた。
道の片隅で三角座りをしながら周りをキョロキョロしていると
馬に乗った中国人観光客がワタシの前を通り過ぎていく。
彼らは、馬を自分で操り、ゆっくり山を登っていく。
(まさか、馬に乗ったら放り出されるのか!?)
と、乗馬経験ゼロなワタシなので行く末に一抹の不安を感じつつも
一方で(やれる気がする)という根拠のない自信もあったりで
躁鬱状態で馬を待っていた。
おっちゃんがニコニコしながら馬を引いて来て、
乗せてくれた。
(さてさて、放り出すんか?
それとも、馬を引いてついて来てくれるん?どっち??)
判断を下そうとおっちゃんの様子をガン見していると
ロープを手に取り歩き始めた。
(一緒に来てくれるみたい)
ホッとした反面、戦国時代の伝達係ヨロシク
前のめりで山道を駆け上がれる気もしていたので
ちょっと残念な気もしたが、
歩き出すとそんな自信はすぐに失せた。
パカパカと、ただ歩いてるだけなのに
想像以上に揺れ、妙にバランスが崩れる。
座り心地がしっくりこないのだ。
とはいえ、少し乗れば慣れてくる。
馬に乗ると当たり前だけど、目線が高くなり
ちょっとうれしい。
そんな時、おっちゃんがロープを手放した。
そして、馬のおしりを叩き「ターーーッ」と叫んだ。
それと同時に馬が走り出す。
後ろから、おっちゃんが走ってついて来る。
で、ワタシは馬を操れないので、馬はまた歩き出す。
おっちゃんが追いついて、また「ターーーッ」と叫ぶ。
ワタシも一緒に「ターーーーッ!!」
で、また馬とおっちゃんは走る。
てなことを繰り返しつつ、
ふたりでターター言いながら登って行く。
平坦な道はなく、舗装さえされていない山道を
おっちゃんは走って登っている。
しかも、革靴で。
山を登り始めると、他の馬にも会うが
やっぱりおっちゃん達はスーツを着ていたり、
革靴を履いていた。
イデタチはビジネスマンだ。
仕事は、馬の管理と観光客の山道誘導なのに・・・
インドでいうところの、
胸ポケットに用もないのに常にペンを挿すようなもんなのか?
いわゆる、ステイタス??
中国って見栄っ張り文化だし。
40~50分ぐらいで、中腹の寺「中和寺」到着。
「謝謝」と、馬とおっちゃんと別れた。
昔懐かしキョンシーに出てくるマークみたいなのが
お寺にいっぱい書かれていて、ハイテンションに寺へ突入。
>>>②につづく