ついに帰ってきてしまった!!

大連→大阪間って、たった3時間。
機中で、いつもなら辿った国を思い出し余韻に浸ったりするんだが、
たった3時間じゃ、機内食食べたり、
アップルジュースが飲みたいけど、発音難しいから
直前で「オレンジジュース プリーズ」とか無難な物を
注文したりと、ボーっとしてるうちに関空着いてしまった。

久しぶりの日本は、久しぶりだけど
「帰ってきたーー♪」って感情はゼロ。
一応、家に無事到着の電話を入れた。

前もって電話するって言ってたのにも係わらず
10コール目ぐらいで母親が出る。

「おかえりーー!今、着いたん??」

旅行中の連絡は全てメールだったので、
5ヶ月ぶりに話した母の声は明るく、
やっぱりワタシの居場所はここなんだな~と感じた。

「じゃあ、1時半ぐらいに家に着くん??」と母。
「そんぐらいかなぁ。」とワタシ。

ご飯なんかあるかなぁと質問しようとした時、

「じゃあ、家の鍵はいつもの場所に隠しとくから!!」

オカンよ。かわいい娘が5ヶ月ぶりに帰ってきたのに、
どっか行くつもりなんか!?

「なんなん?どっか行くん??またカラオケ?」とワタシ。
「それがね♪お母さん、習い事してんねん。」と母。
「え?ナニ習ってんのよ??」とワタシ。

「・・・エヘヘ。ミ・ン・ヨ・ウ♪」

「えーーー!?民謡!?」

なんて身の程知らずな!!
民謡って、普通の歌より難しいのに。
元々、超オンチな母なのだが、地元のカラオケ大会優勝という
経歴を持つ友達がおり、そのオバチャンの熱心な
マンツーマン指導により、歌に目覚めてしまったのだ。
でも、少しマシになっただけなのに・・・

「じゃあ、気をつけて帰ってね♪」と母。
「う・・・うん」とワタシ。

家に着き、いつもの隠し場所から鍵を取り
家に入って風呂に入りのんびり。
家にはもちろんワタシひとりだ。

ひと眠りして起きると、弟が帰ってきた。

「お母さん、民謡習ってるらしいやん。
 練習うっとーしくない?」とワタシ。

「あー、あれ民謡やったん?演歌なんだか民謡なんだか、
 とにかくなんか歌ってんで。結構ウザい。」と弟。

たぶん、全然コブシも節も何もないんだろうな。
九賽溝で叫んでた中国人中年男女に負けないぐらい
50歳を過ぎた母親の下手な歌ってのはキツイ。

「うるさーーい!!下手クソーーーー!!!」

とは、旅から帰りたての無職の身なので言えないし、
今日から忍耐の日々が始まるかも??