朝9時ぐらいに、ホテルをチェックアウトし
タクシーで九賽溝へ向かう。
ゴールデンウィークも過ぎたし、休日でもないが
沿道に人がたくさんいる。
さすが世界遺産。
とか思っていたら、あっという間に入り口に到着。

なんか民族芸能を大事にする月間だったらしく
入り口付近でチベタンが踊っていた。
チラ見して、チケットを買い、中に入る。

一応説明しておくけど、九賽溝っていうのは
青い湖が点在するエリアの事を指す名前だ。
敷地内は広大で、動物園程度の広さではない。
中にはチベタンの集落がいくつもある。
観光客用に専用バスが走り、要所を結んでいる。
お客は、そのバスを使ったり、遊歩道をのんびり
歩いたりしながら各湖や滝を巡るわけだ。

移動しやすい中間地点で宿探しをすべく、
バスに乗り込む。
バスの中は、すでに中国人ツアー客でいっぱいだ。
掻き分ける様に椅子に座り、窓の外を見る。
自然の美しい景色を見ながらバスは進んで行く。

その時、林の中にすごく青いものが見えた。
乗客全員が息を呑む。

「キャーーーーー!!」

鮮やかに青い湖だ。
こんなきれいな青は見たことが無い。

九賽溝の中で宿泊は禁じられているが、
隠れて泊まれるという情報があったので
中で民家を探す。

半信半疑で「部屋ある?」と第一村人に聞くと
あっさり「こっちこい」と部屋へ案内してくれた。

小汚いベッドで寝るのかな?と多少覚悟はしていたけど、
予想外にキレイ。
民家の部屋の一室の貸し出しではなく、
明らかにそれはホテル。電気毛布までついている。

「今夜は白色巨塔見れませんねぇ~」とか言いながら、
湖を見に出発。

もう、何度見ても驚く美しさだ。
何十箇所も似たような湖があるんだけど、
見つけるたびに

「こんなに青かったっけ?」って思う。

湖を見てて、ちょっと下を向いて、また湖を見るたび

「こんなに青かったっけ?」って思う。

湖の青さも素晴らしいけど、
湖を結ぶ遊歩道を歩くのもとてもいい。

春の山の緑の鮮やかさにも感動した。
深緑の中に、蛍光黄緑みたいな葉が混じり
ちょっと違和感さえ感じる美しさだった。
うさぎやリスも暮らしている。
パンダが見れなかったのは残念だけど、
虫嫌いのワタシが、子蜘蛛の糸がメガネに引っかかっても

「まぁ、こんなこともあるわな。」

と流せるぐらい自然を満喫した。

結局、トータルで10キロぐらい歩いた。
成都で宿の敷地からさえ、なかなか外に出なかった
ワタシの足は、言うまでも無く疲れ切り、
マメまでできちゃう始末。

基本的に九賽溝内では宿泊禁止なので、
店が早く閉まり、湖を巡るバスも止まる。
結局、4時ぐらいには、動きが取れなくなり
恐ろしく暇な時間が始まる。

予想外にレストランが早く閉まったため
夕食はカップラーメン。
ビールを飲みつつ、洗面器にお湯を入れ
足湯をしてまったり相棒と話して時間を潰す。

日が暮れて星を見に外へ出ると、漆黒の闇。
1m先が見えない。
「歩けないーー!」とか言いながら
空を見上げると、キラキラ☆だ。
怖いぐらい星が瞬いている。
もう、星がありすぎて、知ってる星も見つけられない。

その後、電気毛布の温度調節に四苦八苦し
悩まされつつ2日目終了。