ある方の退職 | 天草凛太郎のブログ

天草凛太郎のブログ

人の幸福や不幸は予想のしようがない、だから未知なる人生は面白いし、夢も描ける。

今日ある方から会社退職の挨拶の電話がありました。弊社も35年くらいお付き合いのある方でした。その話を電話口で聴きながら、ふと鴨長明の「方丈記」の一節を思い出しました。ちょっと方丈記の一節を披露します。

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」

都会に住んで会社勤めをしていると歳月の経過も忘れてしまいますが、故郷へ帰省してみると、人とすみかの変化に驚かされます。今日も銀行へ挨拶に伺いましたが、支店長から担当者まで3、4年ごとの転勤による人の移り変わりが取引銀行に蓄積されてゆくのがわかります。

方丈記もごく当たり前のことを書いているわけですが、流れる河の水が、歳月と同じように二度と戻らない事を「無常」という寂しさで表現しています。しかし、新陳代謝して世の中の流れに乗れなければ淀みに浮かぶうたかたのごとく消え去ります。

最後に、新しい第二の人生をお幸せに歩んでいただきたいと思いました。