リップル社は、世界のすべての人が数秒で送金できるようにするという究極の目標を掲げています。

ブロックチェーンとモバイルペイメントのカンファレンスである、Unbound London 2018において、リップル社の国際決済スペシャリストであるCassie Craddock氏(以下、Craddock氏)は、同社の長期戦略について語りました。

Craddock氏はUnbound London 2018に登壇し、リップル社の長期戦略と将来の可能性について語りました。

国際決済の問題を解決することはまだ難しい問題だと思うが、リップルが成功を収めれば、10年後には世界中のどことでも3〜5秒で国際決済ができるようになるはずです。

リップル社の技術が普及する理由

Craddock氏は、リアルタイムの国際決済にはユースケースがあるため、金融機関がリップルの技術を利用するようになると言います。

例えば、子供の家賃を払うために、親が住むアジアから英国にいる子供へ送金することは、今日の実生活でのユースケースです。

そして、我々のプラットフォームでは3〜5秒以内でのリアルタイムの送金・着金が可能です。

リップルのビジョンは世界規模でリアルタイム決済を行うことです。

したがって、我々のビジョンが達成されれば、銀行部門や金融サービス全体がこぞって我々の決済プラットフォームを利用するようになるでしょう。

リップル社が銀行と連携する真の理由

一方で、カンファレンス内では、リップル社の技術が銀行で利用される意義について質問が挙がりました。

リップル社は自社の技術を銀行に提供していますが、そもそも決済に銀行を仲介する必要性は必ずしもありません。

この質問に対して、Craddock氏は次のように答えています。

一切銀行を経由しない取引が主流になることは、現実的には難しいと思います。

確かに仮想通貨を使えば、銀行を介さずにどこへでもリアルタイムでトランザクションを送信できます。

しかし実際には、人々は仮想通貨での直接送金に慣れているわけではなく、快適さを感じていません。

結果として、人々が仮想通貨へのシフトを理解しているにも関わらず、銀行がこれからも国際決済の大半を担うことになるでしょう。

ですからリップル社は、国際的決済の問題点を解決するために、銀行と直接連携しています。

リップル社の強みは「金融分野への集中」

さらに、Craddock氏はカンファレンス内で、リップルが早期からブロックチェーンの世界にいたことで、イーサリアムのような新しいプラットフォームに比べてアドバンテージがあるかどうかを尋ねられました。

私はリップルが先駆者としてのアドバンテージを持っていることをあまり確信できません。

リップルは特定のユースケースに集中していますが、イーサリアムは数多くのユースケースを持っています。

人々はイーサリアムプラットフォームをあらゆる種類のものに使用していますが、私たちは本当に銀行や金融機関の問題解決に集中してきました。

したがって、私はリップル社の技術が金融サービスに普及していくだろうと考えています。