ブロックチェーンのソフトウェア企業であるブロック・ドット・ワン(Block.one)のEOSが、1年にわたるトークン・クラウドセールを完了し、計40億ドル(約4381億円)を集めて史上最大のイニシャル・コイン・オファリング(ICO)となる見込みだ

 付随するソフトウェアの公式リリースに大きな期待が集まっている。これを支持する者たちは、このソフトウェアが大規模な分散型アプリケーション(DApp)用の分散型オペレーションシステム(OS)を構成することになる、と主張している。リリースされれば、開発者たちもトークンを新たなEOSウォレットに移す準備をすることになる。

 EOSがここ数ヶ月間、その長期的な有効性とトークンの本当の価値に対する疑惑の高まりにさらされていたことを考えれば、この動きは重要な意味を持っている。

 批判者の中には、ドージコインの創設者であるジャクソン・パーマー氏もいる。同氏は4月、間近に迫るEOSのリリースについて、ソーシャルメディア上の興奮状態を諌めている。

「…『EOSが間もなくローンチ!』と興奮している人は全員、『ローンチ』というのは単にコードが使えるようになるという意味だということを、どういうわけか理解していない。参加して使える、またはEOSトークンをそこで換金できる『ネットワーク』はローンチされていない」

 同氏は次のようなツイートもしている。

(言外の意味を読んでいないなら。EOS ERC-20トークンがもたらすユーティリティはゼロで、完全に役立たずだ。FAQにあからさまにそう書いてある)

 各取引所は、EOSメインネットのトークンスワップの間、EOSの預け入れと引き出しを停止した。OKExとビットフィネックスは共に、預け入れと引き出しは利用不可となる一方、スワップの間、売買が影響を受けることはないと発表した。OKExはユーザーに対し、EOSを取引所に預け入れないこと、もし預け入れたらトークンは取り戻せないことを再確認した。

(ビットフィネックスは、6月2日16:00 UTC(世界協定時)にEOSの預け入れ&引き出しを凍結する。この時間は2日前に発表した更新情報と違うのでご注意を。売買はスワップ全体を通して影響を受けないままとなる)

 トークンの登録手順をめぐっては混乱が起き、あるコミュニティメンバーは、EOSキーペアの生成とEOSトークンが入っているイーサリアムアドレスに割り振る方法の手引きを発表した

 批判や混乱にもかかわらず、EOSのクラウドセールはこれまでのどのICOをもやすやすと上回っている。すでに予定を短縮して中止されたテレグラムのICOは17億ドル(約1861億円)を調達したと報じられているが、これをも上回っている。

 その間、EOSの価格は、4月終わりに最高21ドル以上に達したが、リリースを前に12ドル前後で安定したままだ