中国の習近平主席が28日、中国科学院と工程院の大会における講演の中で、「ブロックチェーン」について言及した。中国の通信社である新華社のサイトに掲載された講演原稿からわかった。

 原稿によると、習主席は「科学技術が今日のように深く国家の命運や国民生活に影響を与えることはなかった」とし、その背景の動きとして「人工知能、量子コンピューティング、モバイル通信、IoT、ブロックチェーンを代表とする新たな情報技術が加速的に応用」され、かつ分野をまたいで融合していくと考察した。

 習主席がブロックチェーンについて言及するのは珍しいが、中国政府が展開する「第13次5カ年計画」(2016〜2020年)における国家情報化計画はブロックチェーンについて基礎研究を強化すべき技術の一つとしている。

 また、中国の中央銀行である人民銀行はブロックチェーン関連の特許を多く保有しているといわれる。

 中国では昨年の9月以来、仮想通貨と法定通貨間の取引やICO、また取引所の運営が禁止されているが、ブロックチェーン技術の研究開発は着実に進めていく方針のようだ。