ファンドストラットの共同創設者 ストラテジストのトム・リー氏は、ビットコイン(BTC)が2万5000ドル(約273万円)に達するという予想を引き続き述べた。米ニュースサイトCNBCは23日に報じた。リー氏はビットコイン価格が17年の高値を超えると考えられる3つの主な要因を明らかにした。

 BTCは水曜に8000ドルを下回り、7500ドル付近で取引された。これにより4月中旬から5月上旬にかけての上昇の大半が失われた。水曜の急落によりBTCは今年41%の下落となっている。リー氏はこの下落は単に「典型的な仮想通貨のボラティリティの高さ」によるものだと考えており、3つの主な要因で自身の強気の姿勢を説明した。

 その要因の1つ目は、BTCの生産・複製コストだ。リー氏は火曜、CNBCの番組「フューチャーズ・ナウ」で、BCTは「原価で取引」されていると述べた。これはその生産コストが取引価格とほぼ等しいためだ。リー氏によると、水曜時点でBTCの生産コストは約6000ドルなので、マイニング費用以上の価値がまだあるという。

 価格上昇を引き起こす可能性がある2つ目の要因として、リー氏は機関投資家たちは仮想通貨分野に関心を持っているが、規制の不確かさのために完全には参入出来ていないことを挙げている。リー氏は次のように述べた。

「私の考えでは機関投資家は大きな関心を持っているが、まだ実際には仮想通貨市場に参入していない。これは規制の不確かさがまだ多少残っているためだ。しかし資産クラスとしての仮想通貨に最終的にこの手の資産配分が来れば、ビットコイン上昇の強い理由となる」

 最後の要因として、ファンドストラットが蓄積したデータが、ある歴史的傾向を示しており、リー氏はそれに基づいて投資家にBTCの保有を勧めている。リー氏は次のように述べた。

「歴史的にみて、ビットコイン価格の各1年間の値動きは10日間で作られている。この10日を除いて考えると、ビットコインは1年あたり25%下落している。8000ドルでビットコインを保有するのは投資として哀れだと感じるかもしれない。しかし、わずか日数で8000ドルから2万5000ドルへの動きが生じるだろう」

 ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズは今月、ビットコイン価格が19年内に3万6000ドルになるという、過去の平均に基づいた研究を明らかにした。BTCのマイニング費用と価格の関係を分析することで、アナリストは同通貨のレンジが19年末までに2万0000~6万4000ドル(約219万~約700万)になると予測した。当記事公開時点では、BTCは7594ドルで取引されている。